1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455117
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小菅 一弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30153547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹尾 光冶 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50271870)
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Keywords | 協調制御 / マニピュレータ / メカトロニクス / 分散制御 |
Research Abstract |
機能の知能化技術の発達は,人を単純な繰り返し作業や危険な作業から解放してきた.知能化された機械は,その大部分が産業用ロボットとして,環境が整備された工場の中に導入され,人間と隔離された空間で作業を行っている.社会の急速な高齢化にともない,我々の日常生活を支える様々な作業・労働を,機械化・ロボット化することが望まれているが,これらの作業は整備されていない普通の環境下で人と共存して行われるので,その機械化・ロボット化には,従来とは異なる新しい知能化技術が必要である. 本研究は,整備されていない普通の環境下で,人と共存・協調して人の作業を支援する複数の人間支援型ロボットと人との協調に必要なロボットの分散型知的制御技術の確立を目指すものであり,昨年度から継続して行っている研究である.昨年度は人と複数のロボットの代表的な協調作業問題である.単一の物体の繰り問題を力学的・人間工学的に検討し,(1)人との協調作業のための分散型知的制御系の開発と(2)人間支援型ロボット用分散制御系実験システムの構築を行い,人とロボットの協調問題を力学的に解析し,安定・安全に作業を行うための基本的な制御システムを提案してきた. 平成9年度は,昨年度の成果をもとに,ロボットと人との新しい協調作業の概念を提案し,柔軟・重量物ハンドリングを例として,実験によりその有効性を確認した.すなわち,(1)ロボットによる作業負担の分担支援ならびに,作業そのものの一部を補助する新しい協調作業の概念を提案した.(2)双腕マニピュレータによる,作業支援システムを構築した.(3)大型金属薄板のハンドリング作業を想定し,負荷分担ならびに,薄板の曲げをロボットが支援する,新しい人とロボットの協調作業システムを構築した.(4)実験により,提案する有効性を確認した.
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