1996 Fiscal Year Annual Research Report
非線形光学刃物を用いた新しいマイクロマシン作製技術の開発
Project/Area Number |
08455122
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
三澤 弘明 徳島大学, 工学部, 教授 (30253230)
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Keywords | マイクロマシン / 光造形法 / 高分子材料 / マイクロマシニング / 微小構造物 / 加工分解能 |
Research Abstract |
マイクロマシン技術の確立は、マイクロサージェリーや人工臓器などの先端医療技術の更なる発展に必要不可欠であるといわれており、社会的にもマイクロマシンの実現が待望されている。従来のマイクロマシン作製技術は半導体加工技術を応用しているため薄膜形成とエッチングによる2次元微細加工技術が基本であるため、アスペクト比の小さな平面的な構造を持つマイクロマシンしか作製することができない。本研究においては、従来にはない簡便に立体的なマイクロマシンを作製するための方法論の開発を目指し、すでに医療材料として広く利用されている高分子材料をレーザーと光学顕微鏡を用いて3次元的に加工する新しいマイクロマシン作製技術の開発を行った。 光硬化性樹脂であるノプコキュア800に355nmのピコ秒パルスレーザー(パルス幅:30ps)を集光照射すると、焦点付近にのみ光硬化反応が誘起され、1μm以下の大きさの樹脂の形成が確認された。この3次元的に誘起できる光硬化反応を利用して顕微鏡に装着した電動ステージを走査し、一辺が10μm、高さ50μmの中空四角柱を作製することに成功した。また、本3次元加工技術の加工分解能は、作製した構造物を原子間力顕微鏡を用いて形態観測することにより照射レーザーパワー、電動ステージの走査速度に強く依存することも明らかにした。現在の我々の開発した装置では、光軸方向では500nm程度、また光軸と垂直方向では〜1μm程度の加工分解能を有することが明らかとなった。今後、電動ステージの位置精度の向上をはかり、加工分解能の更なる向上を行っていきたいと考えている。
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Research Products
(1 results)