大規模電力システム定態安全度の階層分散型監視・制御手法

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08455127
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 横山 明彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30174866)
• Keywords: 電力系統 / 定態安定度 / 固有値 / 分散制御 / 適応制御 / 階層分散化 / 電力系統安定化装置 / 大規模システム

Research Abstract

将来の電力需要の増大及び高信頼度な電力供給への要求に対処するため、電カシステムはますます大規模複雑化・高度化することが予想されるので、このような電力システムに対しては、階層分散化された監視・制御構造に適した効率的な高度セキュリティ監視・制御システムの開発が必要である。このセキュリティの一つとして定態安定度をとりあげ、時々刻々と状態の変化する電力システムに対して、この定態安定度を向上させることのできる分散監視・制御構造に適したオンライン適応型の発電機励磁系制御装置の提案を行った。従来の系統安定化用発電機励磁系制御装置であるPSS(電力系統安定化装置)は制御系のゲインや時定数などのパラメータが固定されていたのであるが、この提案する安定化制御装置は、大規模電力システムを分割して得られる、その安定化装置付き発電機を含む小規模地域系統に対してオンラインで状態推定を行い状態方程式のシステム行列を作成し、そのシステム行列の固有値が複素平面上の安定方向へ速やかに移動するように、このPSSのゲインや時定数をオンラインで変更し、様々な潮流状態変化、系統構成変化に対してロバストな制御性能を発揮できるようにしたものである。大規模システムをそのまま扱うのではなく、いくつかの小さなサブシステムに分割し扱うので制御計算量・時間の点で実用性が高いものである。モデル系統を用いてディジタルシミュレーションを行い、本オンライン適応型発電機制御装置の有効性を確認した。

Research Products

• [Publications] 黒田亜剛: "適応制御の適用による発電機励磁制御素の自動チューニンク方式に関する研究" 平成10年電気学会電力・エネルギー部門大会(論文II). 272-273 (1998)
• [Publications] Kanapol wongphichayavisal: "Adoptive PSS for Power System Stability Enhancement Based on Identifcation of Local system" 電気学会電力技術・系統技術合同研究会資料. PE-98-30 PSE-98-20. (1998)
• [Publications] Kanapol Wongphichayavisal: "Adaptive PSS for Power System Stability Enhancement Based on Identification of Local System with Vatiable forgetting Factor" 平成11年電気学会全国大会論文集. 1480 (1999)