1997 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物系バルク超電導体を用いた磁気勾配浮上に関する研究
Project/Area Number |
08455128
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大崎 博之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (10203754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 穣 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00011180)
正田 英介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40010706)
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Keywords | 磁気浮上 / 超電導 / 電磁力 / 磁気勾配 / バルク材 / 臨界電流密度 / 安定 / 数値電磁界解析 |
Research Abstract |
本研究では、酸化物系バルク超電導体と鉄などの軟磁性体だけから基本的に構成される磁気勾配浮上方式に関して、電磁力特性、特に安定な復元力が得られる変位範囲、およびその各種パラメータ依存性を数値電磁界解析により整理し、さらにそれらの結果を小型実験装置により検証し、この浮上方式のシステム応用可能性と課題を明らかにすることを目的とし,平成9年度は以下のような成果が得られた。 (1)バルク超電導体と鉄レール間の電磁力測定実験:超電導体および鉄レールの条件や初期励磁磁束密度などを広く変化させ,電磁力特性およびバルク表面上磁界分布を詳細に測定した。その結果,鉄レールの長さが電磁力特性に与える影響が大きく、鉄レールの長さが長い場合には,超電導体が無くても元々安定であった方向の鉄レールの変位に対して,却って不安定になる場合があることが明らかになった。 (2)実験結果の解析:磁気勾配浮上の3次元数値電磁界解析を行って,実験結果との比較を行った。その結果,超電導体の臨界電流密度の磁界依存性によると考えられる差異を除いて,両者でよい一致が得られた。また,実験で得られた鉄レール長による電磁力の不安定化についても同様な結果が得られ,磁束密度や電磁力の分布など詳細に解析することにより,その原因を明らかにすることができた。 (3)浮上システムの検討:これまでの数値解析および電磁力測定の結果に基づいて、バルク超電導体を用いた磁気勾配浮上システムの可能性を検討し,リニア形の浮上搬送システムなどへの適用においては走行方向の磁界を抑制する磁気シールドが必要であること,また,磁気軸受としては大いに可能性があることを示すことができた。
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[Publications] H.Ohsaki, M.Takabatake, E.Masada: "Magnetic Gradient Levitation using High-Tc Bulk Superconductors" IEEE Transactions on Applied Superconductivity. Vol.7,No.2. 908-911 (1997)
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[Publications] H.Ohsaki, M.Takabatake, E.Masada: "Stable Magnetic Levitation of Soft Ferromagnetic Materials by Flux Pinning of Bulk Superconductors" IEEE Transactions on Magnetics. Vol.33,No.5. 3454-3456 (1997)
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[Publications] H.Ohsaki, M.Takabatake, N.Araki, E.Masada: "Numerical Analysis of Electromagnetic Phenomena in Bulk Superconductors under the Influence of an Applied Traveling Field" Advances in Superconductivity IX. 1373-1376 (1997)