1996 Fiscal Year Annual Research Report
アルカリ金属シ-ドを用いない高効率MHD発電システムの研究
Project/Area Number |
08455131
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
原田 信弘 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80134849)
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Keywords | MHD発電 / 高効率発電 / クローズドサイクルMHD発電 / 電磁流体力学 / 非平衡プラズマ / 混合希ガス作動気体 / キセノンシード / 電離不安定 |
Research Abstract |
高効率な発電が可能となる非平衡MHD発電においては,従来から作動プラズマの導電性を高め,発電性能を向上させるために,電離ポテンシャルの低い,カリウムやセシウムなどのアルカリ金属がシ-ド剤(添加剤)として用いられてきた。しかし,アルカリ金属は反応性が高く,システムの信頼性を低下させ,さらにシ-ドの注入・回収また再生・純化などの復雑なプロセスが必要となるだけでなく,これらに要するコストが結果として発電効率の低下を導く。本研究では,アルカリ金属に代わる安全で,高効率を維持できるシ-ド剤を提案する。これまでの検討では,反応性のない希ガスであるキセノンが有望であることが明らかとなり,主となる作動ガスとしてはヘリウムが最適であることがわかった。キセノンはアルカリ金属と比べて電離ポテンシャルが高いため,プラズマを高い電子温度の状態に維持することが必要で高い発電性能を得るためには運転条件や発電機の設計が重要となる。さらに同様の理由により,プラズマの安定性も悪くなる(電離不安定)ことが予想されるので,これらの解明が課題となることもわかった。今後の研究では,数値解析あるいは基礎実験において,提案したヘリウム作動ガスとキセノンシードを組み合わせた場合の発電性能の実証をしていく必要があるが,最初に,1次元数値解析により,発電機と運転条件の最適設計と発電性能の予測を行い,本提案の可能性を検証する。次に,2次元数値解析によって,プラズマの安定性と放電構造の調査とそれらが与える発電性能への影響等について詳細に検討していく方針である。
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