1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
森崎 弘 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (00029167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 洋 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (00134867)
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Keywords | ナノ構造 / クラスタ / クーロンブロッケード / 光酸化 / テトラゴナル構造 |
Research Abstract |
ナノ構造化による新構造物質の創製を目指して、クラスタビーム法による半導体ナノ構造の製作とその評価を行った。この方法で室温に保たれた基板上に堆積されたGeクラスタ膜は、STMによる観察の結果、約3〜4nmの極めて粒径のそろった球状のクラスタからなる一様な膜であることが確認された。この膜の電気伝導を測定したところ、約30K以下の低温領域においてトンネル伝導と考えられる温度に依存しない抵抗率領域が見られ、その領域では0〜1V程度まで電流の流れない、いわゆるクーロンブロッケードと思われる現象が観測された。現在さらにこの現象の確認を行っているが、もしこれが事実であれば粒径が一様である新たな証拠と言える。 同じ方法で液体窒素温度に保たれた基板上に堆積されたGeクラスタ膜は極めて不均一で、非常に酸化されやすくなる。通常Geは酸化されにくいと考えられてきたが、ナノ構造化することによって酸化されやすくなることが明らかになった。さらに、紫外光照射によって室温でも容易に酸化が進行することが発見された。光酸化が進行するための最小光エネルギーは約2.9eVで、この値はGeクラスタ膜の実効バンドギャップに一致することが見い出されている。照射する光のエネルギーによって、光酸化後の膜の光学的バンドギャップが変化することが見い出された。このことは、クラスタ内部のGe核の粒径を照射光で制御できることを意味し、クラスタの粒径の新たな制御方法として有用である。 クラスタビーム法で形成されたGeクラスタはダイヤモンド構造ではなくテトラゴナル構造であることが明らかになっているが、同じ方法で製作されたSiクラスタ膜もダイヤモンド構造とは異なる結晶構造であることが電子線回折などから明らかになりつつある。なだ結晶構造の同定にまでは至っていないが、Geの場合のようなテトラゴナル構造ではないことは確認されている。 クラスタの粒径をさらにそろえる目的で質量分離クラスタ発生装置を現在製作中である。これによってさらに明瞭なクーロンブロッケードを示すクラスタ膜の形成が可能になると期待される。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] M.Wakagi: "Raman spectroscopy of germanium films deposited with cluster-beam technique" Physica B. 219/220. 535-537 (1996)
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[Publications] M.Shimasaki: "Correlation between light emission and dangling bonds in porous silicon" Applied Surface Science. 92. 617-620 (1996)
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[Publications] S.Nozaki: "Phase transformation of germanium ultrafine particles at high temperature" MRS Symp.Proc.405. 223-228 (1996)
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[Publications] T.Ichinohe: "Visible light emission from the porous alloyed Pt/Si contacts" Thin Solid Films. 281/282. 610-612 (1996)
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[Publications] S.Kobayashi: "Nitrogen-ion irradiation during the deposition on C_<1-x>N_x thin films by ion beam sputtering technique" J.Vac.Sci.Technol.A. 14. 777-780 (1996)
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[Publications] S.Kobayashi: "Carbon nitride thin films deposited by the reactive ion beam sputtering technique" Thin solid Films. 281-282. 289-293 (1996)
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[Publications] S.Sato: "Photo・oxidation of germanium nanostructures deposited by the cluster-beam evaporation technique" J.Appl.Phys.81. 1518-1521 (1996)