1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455145
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村上 正紀 京都大学, 工学研究科, 教授 (70229970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 英嗣 京都大学, 工学研究科, 助手 (60283644)
奥 健夫 京都大学, 工学研究科, 助手 (30221849)
小出 康夫 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70195650)
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Keywords | 窒化ガリウム / オーム性電極 / コンタクト抵抗 / ショットキー障壁 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ワイドギャップ化合物半導体の(1)低抵抗な高性能コンタクト材料を発掘すること、および(2)ワイドギャップ半導体用コンタクト材の普遍的な設計指針を構築することである。本年度は、p型GaNに対する非反応性(ノンアロイ)オーム性電極開発の可能性を調べることを目的とし、GaN表面の清浄化処理および仕事関数の異なる種々金属に対するコンタクトの電気的特性を調べた。この結果、以下のことが判明した。 (1)MOCVD法によって成長されたGaN単結晶膜表面には、GaO_xおよび水素化カーボンからなる厚さ2mm程度の薄い汚染層が存在する。 (2)この汚染層はArおよびNイオンによるスパッタリング(イオン電流密度-0.01A/cm^2)によっても完全に除去できない。また緩衝フッ酸溶液処理によってもコンタクトの電気的特性は改善されなかった。このことから、GaN表面上の汚染層は、空気にさらすことによって早い成長速度をもって形成されるものと考えられる。 (3)汚染層はNiおよびTaコンタクトを500℃で熱処理することにより、完全に除去することが可能であり、GaN/NiおよびGaN/Taの直接接触が得られる。また、汚染層除去によりコンタクト抵抗は約1桁減少し、Ni/Auにおいてコンタクト抵抗は約10^<-2>Ωcm^2であった。しかしならがら汚染層除去では、十分なコンタクト抵抗の減少をもたらさないことがわかった。 (4)コンタクト抵抗は金属の仕事関係(Pt,Ni,Pd,Au,Cu,Ti,Al,Ta)の増加とともに減少した。このことはp-GaN/金属界面のショットキー障壁高さは、界面にピンニングされていないことを示唆している。 (5)以上より、p-GaNに対する非反応性のオーム性電極を得るためには、仕事関係の大きな金属を選定することが有効であることがわかった。しかしながら、これらのコンタクトは青色レーザ素子用の電極として十分に低いコンタクト抵抗を与えないことも判明した。
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Research Products
(1 results)