1997 Fiscal Year Annual Research Report
(InGaAl)As多重ヘテロ構造のディスオーダ化とそのマイクロレーザへの適用
Project/Area Number |
08455168
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
須さき 渉 大阪電気通信大学, 工学部・電子工学科, 教授 (00268294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 秀治 大阪電気通信大学, 工学部・電子工学科, 専任講師 (60278588)
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Keywords | マイクロレーザ / ヘテロ構造 / 歪量子井戸 / InGaAs / 面発光 / ディスオーダ / 拡散 / 多重反射膜 |
Research Abstract |
本研究は平成8年度と9年度の2年間にわたるものであり、8年度は以下の成果を得た。1.GaAs/InGaAs/GaAs歪量子井戸のしきい電流密度を少なくするための理論検討により、x=0.2、InGaAs層の厚さとして7.9nmを設計値として用いることにした。2.歪量子井戸の成長:水冷式分子線エピタキシ-(MBE)装置の立ち上げを行い、GaAs基板上にAlGaAs/GaAs/AlGaAsの成長を行い、RHEEDパターン解析により1原子層ごとの成長を確認し、成長速度を正確に求めるとともに、厚さが5nmおよび8nmのGaAs単一量子井戸を作製し2Kでのフォトルミネッセンスを観測し、波長は理論値と一致した。3.面発光レーザ共振器として各層の厚さが1/4波長で24対のAlAs/GaAs多重反射膜をコンピュータ制御により作製し、SEM観察で成長できることを確認した。4.ディスオーダ化の基礎実験:Znの拡散について、電子ビーム蒸着で作製したZnO/SiO_2膜GaAsへ固層拡散ができるようになり、700℃で0.6mm/h^<1/2>の結果を得た。 平成9年度では8年度の成果に基づき、1.GaAs/InGaAs(8nm)/GaAs歪量子井戸の成長を行い、室温で0.98μmのMOCVD法と比肩できるフォトルミネッセンスを観測した。2.n型不純物としてSiをMBE成長に用い、キャリヤ密度7x10^<17>/cm^3で液相成長法と同程度の2000cm^2/V・sを越える移動度を実現した。3.この歪量子井戸の両側にAlAs/GaAs多重反射膜を形成した。4.n型不純物のSi拡散によるディスオーダ化のため、電子ビーム蒸着によるSi/SiO_2膜を用いて、封止石英管中でAs圧のもとで850℃で20hrの拡散を行うことにより、4μmの拡散が可能となった。この実験でSiの拡散深さを大きくするにはAs蒸気の加圧により、As空孔の密度をGa空密度と同程度に制御することが必要であることを確かめた。5.GaAs、AlGaAs、InGaAsへのn型(Si)およびp型(Be)不純物のド-ピング、上記の歪量子井戸の両側にAlAs/GaAs多重反射膜を形成したウェハにZnおよびSiの拡散によるディスオーダ化によりTJS構造レーザの作製することができた。 本研究結果は面発光マイクロレーザの実用に重要な成果であり、一連の成果を論文にまとめて投稿をする準備を進めている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 須〓 渉: "1.3μmおよび1.5μm-InGaAsPレーザダイオードの再結合係数の測定" 電子情報通信学会論文誌C-1. J80-C-1. 313-318 (1997)
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[Publications] Hideharu MATSUURA: "A Simple Graphical Method for Determing Densities and Energy Levels of Donors and Acceptors in Semiconductor from Temperature Dependance of Majority Carrier Concentration" Jpn.J.Appl.Phys.36. 341-3547 (1997)