1996 Fiscal Year Annual Research Report
超高強度コンクリートを用いたPCおよびPRC部材のクリープ特性に関する研究
Project/Area Number |
08455204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
佐藤 良一 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (20016702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
許 明 宇都宮大学, 工学部, 助手 (50272224)
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Keywords | PRC / クリープ / ひび割れ / テンションスティフニング / 長期挙動 / 自己収縮 |
Research Abstract |
本研究は100N/mm^2クラスの高強度コンクリートを用いて、プレストレス導入後から長期にわたるクリープ変形の特性をプレストレスレベルと関係付けながら、実験および解析の両面から明かにし、併せて長期曲げ剛性モデルの適用性向上を図るものである。平成8年度に行った研究成果の概要は以下の通りである。 1.高強度コンクリートのクリープ特性を正確的に把握するために、載荷時有効材齢を0.44日,0.85日,1.74日,11.7日,28日の5種類変えたクリープ実験を行い、併せて自己収縮ひずみを測定した。実測値に基づいて、クリープの終局値および進行速度を明かにし、CEB-FIP Model Code 1990のクリープ予測式を高強度コンクリートに適用できるように改良した。 2.PRC部材の自己収縮による鉄筋の拘束応力を定量的に把握するために、自己収縮ひずみによるPRC部材のひずみ等を計測し、重ね合わせの原理に基づいてクリープ解析を行って求めた変形、鉄筋応力の実測値と比較し、比較的良く評価できることを明らかにした。 3.高強度コンクリートを用いたPRCはりのプレストレス導入それに続く持続荷重載荷以降の変形挙動を実験により検討し、併せてクリープの載荷時材齢を考慮した重ね合わせの原理に基づくStep-by-Step法を用いて解析を行った。その結果、実測時間依存変形と解析値はおおむねよく一致した。しかし、ひび割れの分散が十分でない場合の変形挙動については、MC90によるテンションスティフニング効果の評価は過小であることが明かとなった。 4.PCおよびPRCはりの持続曲げ載荷実験結果に基づいてコンクリート部材の長期の変位・変形量を算定するために長期有効曲げ剛性に及ぼすクリープ、収縮およびテンションスティフニングの影響を表現し、長期有効曲げ剛性の設計式を提案した。プレストレス量、引張鉄筋比および圧縮鉄筋比等の相違に関わらず、試験値と比較的良く一致し、高強度コンクリートの場合に対してその妥当性を示した。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] 手塚正道、許明、佐藤良一、鳥取誠一: "活荷重によるRCおよびPRC部材の変形に及ぼす持続荷重の影響" コンクリート工学年次論文集. 18・2. 593-598 (1996)
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[Publications] 津田守、佐藤良一、涌井一、角田興史雄: "コンクリート部材の長期有効曲げ剛性式の提案" コンクリート工学年次論文集. 18・2. 1157-1162 (1996)
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[Publications] 宮澤伸吾、大谷博、今本啓一、佐藤良一: "超高強度コンクリートの若材齢におけるクリープ係数" 第51回土木学会年次学術講演会講演概要集. 578-579
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[Publications] T.Abe,M.Tezuka,M.Xu,R.Sato: "Basic Bond Equations for Reinforced Concrete Beam Element Subjected to Bending Moment Changing Linearly" International Conference on Erban Engineering in Asian Cities in the 21st century. D:122-D.127 (1996)
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[Publications] 筒井英之、佐藤良一、許明: "高強度コンクリートの自己収縮応力に関する検討" セメント・コンクリート論文集. 478-483 (1996)
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[Publications] R.Sato,M,Xu and Y.Yang: "Stresses of High Strength Concrete due to Autogenous Shrinkage Combined with Hydration Heat of Cement" accepted by ACI 1997 International Conference on High Performance Concrete : Design and Materials and Recent Advances in Concrete Technology. (1997)
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[Publications] 川崎靖幸、楊楊、佐藤良一: "高強度コンクリートのクリープ試験" 第24回土木学会関東支部技術研究発表会講演概要集. 586-587 (1997)
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[Publications] 陳建宏、袖山隆行、佐藤良一: "高強度コンクリートを用いたPRC部材の時間依存性の変形について" 第24回土木学会関東支部技術研究発表会講演概要集. 588-589 (1997)
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[Publications] 阿部司、佐藤良一、手塚正道: "重ね合わせの原理に基づくRC曲げ要素のクリープ解析法について" 第24回土木学会関東支部技術研究発表会講演概要集. 570-571 (1997)