1996 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリートの高性能化の観点からみた混和材の総合評価
Project/Area Number |
08455206
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
長瀧 重義 新潟大学, 工学部, 教授 (00016320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 竜彦 新潟大学, 工学部, 助教授 (90215575)
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Keywords | フライアッシュ / 高炉スラグ微粉末 / シリカフューム / 高強度化 / 高流動化 / 高耐久化 |
Research Abstract |
コンクリートの一構成要素である混和材には、天然ポゾラン、火山灰、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シリカフューム等が有効な材料であることが知られているが、我国では他産業の副産物である後者の3種類が用いられている。当初、これらの混和材は、産業副産物の有効利用の観点から、主として経済性にその重点が置かれていたが、今日では、コンクリートを高性能化させる材料として評価されつつある。 本研究では、コンクリート用混和材として、上記のフライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シリカフュームの3種類を対象にして、これらの混和材の使用がコンクリートの高性能化に及ぼす要因について検討した。即ち、コンクリートの高性能化とは、高強度化、高耐久化、高流動化の3要因に整理されるが、本研究では混和材の使用がこれらの要因にどのような効果を発揮するかを実験的に検討した。その結果、混和材の種別にかかわらず、混和材の粒度分布と活性度によって、その効果が総合評価されることが明らかになった。具体的には、高流動化には粒度分布が最も大きく寄与し、上記混和材の単一使用よりも混合使用が効果的であること、高強度化には活性度が直接的に影響するとともに、高流動化と同様に混合使用が有効であること、また耐久性を支配する骨材とセメントペーストの境界層に形成される遷移帯の改良にも混和材の活用が有効であることが結論出来た。なお、購入した低真空型走査型電子顕微鏡は、遷移帯の観察に有効利用され、混和材の使用により遷移帯のCa(OH)_2が減少することが確認できた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 長瀧重義: "コンクリートの高性能化を目指して" 土木学会誌. 81-10. 9-22 (1996)
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[Publications] 藤原浩巳,長瀧重義,他2名: "粉体の粒度調整による高流動コンクリートの単位粉体量低減化" 土木学会論文集. 532/V-30. 67-75 (1996)
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[Publications] 藤原浩巳,長瀧重義,他2名: "粉体の粒度特性が及ぼすモルタルの降状値および塑性粘度への影響" 土木学会論文集. 532/V-30. 151-158 (1996)
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[Publications] Shigeyoshi Nagataki: "Present Status of Coal Ash Utilization in Japan and Worldwide Trend" Proc. of International Clean Coal Technology Symposium on Coal Ash Utilization. V-1. 1-20 (1996)
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[Publications] 大谷隆之,長瀧重義,他3名: "混和材として火山灰を用いたモルタルの諸特性" 土木学会第23回関東支部技術研究発表会講演概要集. V-7. 616-617 (1996)
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[Publications] 久田真,長瀧重義,他4名: "通電によるコンクリート中のイオンの移動における骨材の役割" 土木学会第51回年次学術講演会講演概要集. 5. 346-347 (1996)