1997 Fiscal Year Annual Research Report
構造部材の動的脆性破壊の実験的および解析的シミュレーション
Project/Area Number |
08455210
|
Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐藤 誠 広島大学, 工学部, 助教授 (50034343)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有尾 一郎 広島大学, 工学部, 助手 (50249827)
|
Keywords | 衝撃破壊 / 脆性破壊 / 横衝撃 / 圧接鉄筋 / せん断力 / 脆性はり |
Research Abstract |
(1)圧接された鉄筋の動的引っ張り強度 圧接は通常φ19以上の鉄筋に用いられるが,実験装置の制約からD13の鉄筋をガス圧接した供試体を用いた.静的引張り試験の結果,圧接面に酸化膜を残したまま圧接した鉄筋Bの破断応力は正常に圧接した鉄筋Aとほぼ等しいが,破断時の伸び能力は正常な場合の1/20以下で,圧接面で脆性的に破断した.重量132kgfの落錘により衝撃速度6.5m/sで衝撃引張りした場合は,最大衝撃応力が静的破断応力を越えているにもかかわらず鉄筋A,Bともに圧接部分では破断せず,供試体の支持部付近で破断した.ただし,圧接部近傍の軸応力は鉄筋が一様である部分より高い応力となっており,圧接時に残りやすい酸化膜を残して圧接されたてっきんは,応力波伝播の効果を考慮すると圧接部で脆性的に破断する可能性のあることが認められた. (2)RCはりの衝撃破壊実験の効果 スパン1.4mの複鉄筋矩形断面RCはりのスパン中央とスパンの1/4点に対して,静的載荷および衝撃載荷を行った.衝撃載荷では,重量132kgfの鋼落錘をそれぞれ1,2,3,4,4.5m/sへと衝撃速度を増加する繰り返し衝撃と,衝撃速度3m/sおよび4.5m/sで単一衝撃する場合とを行った.静的載荷と比較すると,繰り返し衝撃では,載荷断面付近に集中的にき裂が発達し載荷断面に塑性ピン時が発生する.また,スパンの1/4点衝撃のときはせん断力の効果で押し抜きせん断的な破壊に至る.単一衝撃載荷では,繰り返し載荷と同じ衝撃速度のときよりき裂発生は少なく残留たわみも少ない.繰り返し載荷で衝撃耐荷力を推定するのは,対象とする破壊の程度を明確にした上でなければ問題がある.また,スパン中央のみの衝撃実験では,せん断力の効果を明確にすることができず,脆性的な破壊過程を検討するにはスパン中央以外の衝撃実験が必要であると考えられる.
|
-
[Publications] 佐藤 誠: "脆性はりの衝撃破壊へのせん断力の効果" 日本光弾性学会第19回研究発表講演論文集. No19. 31-34 (1997)
-
[Publications] 佐藤 誠: "横衝撃力を受けるはりの衝撃破壊実験" 第49回土木学会中国支部研究発表会概要集. 27-28 (1997)
-
[Publications] 佐藤 誠: "RCはりの衝撃破壊実験" 第49回土木学会中国支部研究発表会概要集. 103-104 (1997)
-
[Publications] 高橋江助: "脆性はりの衝撃破壊への個別要素法の適用性" 土木学会第52回年次学術講演会概要集第1部B. 402-403 (1997)