1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河原 能久 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70143823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 浩憲 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00272360)
玉井 信行 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90010818)
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Keywords | 都市気候 / ヒートアイランド / 熱収支 / 修正κ-εモデル / 都市キャノピ- / 土地利用 / 人工排水蒸気 / 植生 |
Research Abstract |
東京圏の熱と水蒸気輸送のメカニズムと経年・経時的な変化を3次元熱環境モデルによる数値解析、気象観測結果の時系列解析、現地観測により検討した。 3次元熱環境モデルは接地層モデルとエクマン層モデルからなり、人工的に排出される熱・水蒸気の影響、都市キャノピ-や植生キャノピ-の影響、土地利用変化、複雑な地形を考慮している。東京圏を含む400km平方、高さ3kmの領域に対して2日間の気流、熱、水蒸気の輸送過程をスーパーコンピュータ上で解析した。その結果、海陸風や斜面風が合理的に算出されることを確認した。また、自動車や人体から排出された水蒸気量は僅かであり、都心においてもその影響は十分小さいこと、むしろ、植生の影響の方が大きいことが確認された。 SDPデータや東京都大気環境時間値データをもとに、経年変化と日内変化を検討した。東京では最近においても年平均気温や年最低気温が上昇し、相対湿度が減少している。しかし、水蒸気の絶対量はほぼ横ばいとなっている。それらの傾向を検討した結果、水蒸気の変化を化石燃料の消費などによる人工的な水蒸気排出量で説明することは困難であること、雲量や街路樹の増加と相関が高いことが判明した。これは人間活動の変化に伴い、降雨にまで至らないエアロゾルの増加や不浸透域面の増加の鈍化に伴う新たな水蒸気量のバランスの形成を示唆している。日内変化に関して、夏期の水蒸気圧は昼間に減少し夜間に増大するが、これは接地境界層の発達に連動しているものと推測された。また、冬季では東京湾から海風が進入すると水蒸気が顕著に増加することが明らかとなった。 夏期に自動車交通から排出される熱・水蒸気・二酸化炭素や気象データを連続計測した。その結果、自動車の気温や水蒸気量に与える影響は必ずしも顕著ではなく、今後の詳細な検討が必要であることが判明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tu,H.,Kawahara,Y.,Tamai,N.and Kaneko,H.: "Experiments of unsteady flows over dunes in a wind tunnel" Proc.Flow Modelling and Turbulence Measurements. 39-46 (1996)
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[Publications] Jia,Y.,Tamai,N.,Kawahara,Y.and Matsuzaki,H.: "Impacts of urbanization and weather on water and heat balances in Tokyo" Proc.10th Asian & Pacific Div.,IAHR. (1996)
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[Publications] Hu,H.,Tamai,N.and Kawahara,Y.: "An investigation of rainfall interception through soil-vegetation-atmosphere transfer scheme" Proc.Int.Conference on Water Resources & Environmental Research. vol.1. 173-180 (1996)
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[Publications] Jia,Y.,Tamai,N.,Kawahara,Y.and Matsuzaki,H.: "Integrated analysis of water and energh balance in an urbanized catchment by a physically based model" 水文・水資源学会1996年研究発表会要旨集. 14-15 (1996)
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[Publications] 松崎浩憲・河原能久・玉井信行: "3次元流れ場のリアルタイムビジュアライゼーション" 数値流体力学シンポジウム講演論文集. 10. 318-319 (1996)
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[Publications] 黄光偉・河原能久・玉井信行: "A wiggk-removing strategy for the QUICKEST scheme" 数値流体力学シンポジウム講演論文集. 10. 352-353 (1996)