1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455227
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
磯部 雅彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20114374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 淳 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50292884)
余 錫平 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (90253632)
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Keywords | 海岸 / 遡上域 / 漂砂 / 浜漂砂 / 波 |
Research Abstract |
沿岸海域において非線形・分散性の波浪場を解析可能な方程式として,ブシネスク方程式を採用し,砕波および汀線移動もモデル化を行うことにより,砕波帯および遡上帯における力学現象を再現可能な岸沖方向1次元数値モデルを開発した.さらに,地形が沿岸方向に一様である平行等深線海岸を仮定して,擬時間を導入することにより,岸沖方向・沿岸方向・時間,という3つの独立変数を,岸沖方向・擬時間,の2つに減らすことができ,効率的な数値計算が可能となった.このとき,波の入射角は任意にとれるよう改良した.境界条件としては,沖側では波を入射すると同時に,反射波を透過される条件,岸側では移動境界条件を課することにより,物理過程を表現した.これらにより数値計算を行ったところ,非線形性を十分に再現し,遡上・流下の過程を含めて妥当な結果が得られた. また,底面摩擦応力を適切に与えることにより,海浜流場の再現を可能とし,斜め入射波による波・流れ共存場を再現することが可能となった. 漂砂に関しては,得られた波・流れ共存流速場から,Dibajnia・渡辺の漂砂量公式を適用して計算を行った.さらに波・流れ共存場での漂砂量公式に改良を加え適用したところ,海浜縦断地形変化の実測値とよい一致を見た. 本モデルを用いて斜め入射波における漂砂量を計算したところ,沿岸漂砂のピークが砕波点および静水時汀線付近に現れ,浜漂砂のメカニズムが再現可能であることを確認した. 以上により,平行等深線海岸に任意の波向角で入射した波による波浪変形と漂砂移動・海浜地形変化の予測手法を開発した.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 中村裕史・渡辺 晃・磯部雅彦: "斜め入射波の遡上とそれに伴う浜漂砂の数値モデル" 土木学会年次学術講演会講演概要集第2部. 52. 132-133 (1997)
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[Publications] 山下淳平・M.Dibajnia・渡辺 晃: "不規則波浪下でのシートフローによる漂砂量算定式" 海岸工学論文集. 43. 476-480 (1996)
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[Publications] 有川太郎・磯部雅彦: "非線形緩勾配方程式を用いた砕波判定法の適用性" 海岸工学論文集. 44. 91-95 (1997)
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[Publications] 柿沼太郎・渡辺 晃・磯部雅彦: "三角形潜堤周辺の砕波を伴う波・流れ場の非線形数値計算" 海岸工学論文集. 44. 111-115 (1997)
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[Publications] 田島芳満・磯部雅彦・渡辺 晃・横木裕宗: "非線形緩勾配方程式を用いた砕波限界に関する数値的研究" 海岸工学論文集. 43. 277-281 (1996)