1996 Fiscal Year Annual Research Report
新たな一般波動理論体系の確立に基づく沿岸水理解析の新展開
| Project/Area Number |
08455228
|
|---|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
| Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
|---|
Principal Investigator |
灘岡 和夫 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (70164481)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平石 哲也 運輸省港湾技術研究所, 水工部, 主任研究官
二瓶 泰雄 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (60262268)
日向 博文 東京工業大学, 工学部, 助手 (70272680)
八木 宏 東京工業大学, 工学部, 助教授 (80201820)
|
|---|
| Keywords | 波動モデル / 砕波指標 / 圧力勾配 / 位相平均モデル / 渦度 / 砕波減衰 / スペクトルモデル |
|---|
| Research Abstract |
本研究は,新たな理論展開に基づいて,従来の波動理論上の様々な難点を克服し,より一般的な波動理論体系を確立するとともに,その成果を砕波や海浜流等の諸問題に応用することによって,合理的かつ汎用的な沿岸水理解析法を構築することを目的としている.
本年度は,まず,この一般的波動理論体系の構築に向けて最も重要となる砕波の問題に焦点を当てて室内実験と数値解析を行った.具体的には,一次元波動水槽を用いた室内実験によって,不規則波を対象としたビデオ画像解析の結果から,砕波のメカニズムとして,波峯部近傍の圧力勾配が重要となり,砕波時点で∂p/∂zがほぼゼロになることを見出した.そしてこれを砕波指標として灘岡ら(1993〜7)の波動モデルに組み込み,一様斜面上の規則波の砕波水深を計算したところ,合田の経験的な砕波指標値とほぼ合致するシミュレーション結果が得られた.
一方,本研究のもう一つの大きな柱である,phase-averagedモデルの開発に関して,斜面上の一次元波動伝播を対象として基礎的な検討を行った.その結果,新たに導入した定式化方法により,Boussinesq方程式と上記の灘岡らの波動方程式の双方に対して,phase-averagedモデル化が可能であることが示され,数値計算によってその有効性が確認された.
さらに,砕波後の波動モデルの開発に関して,砕波による渦度生成に着目し,渦度流速成分を明示的に取り入れた形の砕波変形モデルの定式化に関する基礎的な検討を行った.また,スペクトルモデルへの砕波効果の導入方法に関しても検討を行い,従来の砕波減衰に関する実験データを良好に説明し得るモデル化に成功した.
|
Research Products
(2 results)
