1996 Fiscal Year Annual Research Report
土石流から泥流へ遷移する領域における流動・堆積機構に関する研究
Project/Area Number |
08455231
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
平野 宗夫 九州大学, 工学部, 教授 (50037850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楊 永荻 九州大学, 工学部, 助手 (00260711)
森山 聡之 九州大学, 工学部, 助手 (50136537)
橋本 春行 九州大学, 工学部, 助教授 (70117216)
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Keywords | 土石流 / 泥流 / 掃流状集合流動 / 流砂量 / 抵抗則 / 堆積過程 |
Research Abstract |
研究の成果を列記すると下記のようである。 (1)掃流状集合流動の流速と濃度:掃流状集合流動を2層流としてモデル化して取り扱った。まず、下部の高濃度層については、流れ方向には固・液両相について、垂直方向には固相について力の釣り合い式を立て、これらの関係から高濃度層内平均濃度と流速分布の式を求めた。高濃度層の厚さについては実験式を用いて評価した。一方、上部の水流層については、流れ方向の力の釣り合い式より流速分布を求めた。それぞれの層について流速分布を積分し、平均流速を求めた。それらの結果から、流速係数と輸送濃度を与える式を導いた。また、これらの式を検証するために砂礫及び人工軽量骨材を用いた実験を行い、計算値と実測値がとよく一致することを確かめた。 (2)流砂量:上記の高濃度層内の濃度と平均流速を用いる事により流砂量を与える式を導いた。この式は、勾配が急になって土石流領域に入ると土石流の式に一致し、また水路傾斜角をゼロに近づけると従来提案されているいくつかの掃流砂式の式形と同じになる。このことからこの式は緩勾配の掃流砂から急勾配の土石流までの広範な領域に適用できると考えられる。また、この結果を基に簡便な流砂量式を提案した。 (3)氾濫・堆積のシミュレーション:高濃度流の抵抗則及び流砂量式を用いる河床変動シミュレーションの手法を提案し、雲仙・水無川に適用して土石流の氾濫・堆積の危険区域の評価を行った。その際、上流端における境界条件は、ニューラルネットワークによる土石流の流出解析モデルに降雨記録を与えて求めたハイドログラフと、提案した流砂量の計算式により求めた。これにより、与えられた降雨波形に対するハザードマップを作成することが可能になった。また、推定した流入土石の総量は、堆積物の測定から得られた結果とよく一致し、提案された流砂量の式が現地への適用性を有することも確認された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 平野宗夫・森山聡之・河原恵一郎: "Prediction of Occurrence and Amount of Debris Flow by use of Neural Networks" GEOFORMATICS. Vol.7. 81-86 (1996)
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[Publications] 河原恵一郎・平野宗夫・森山聡之: "Recognition of Rainfall Pattern for Occurrence of Debris Flow by Use of Neural Network" Proc.of the Int.Conf.on Water Resources & Enviroment Research. 547-554 (1996)
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[Publications] M.Banihabib・平野宗夫: "A mathematical model for hazard zone mapping of debris flow" GEOFORMATICS. Vol.7. 87-90 (1996)
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[Publications] 矢ヶ部輝明・平野宗夫・H.Nagy: "Planing for Environmental Administration of Urban River" Proc.of Int'l Conf.on Role of Enginieering Towards Better Environment. 735-744 (1996)
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[Publications] 橋本晴行・平野宗夫: "掃流状集合流動の抵抗則と流砂量" 土木学会論文集. No.545. 33-42 (1996)
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[Publications] 楊永荻・平野宗夫・藤田恭三: "開水路流れの乱流構造に及ぼす掃流砂の影響" 水工学論文集. 第40巻. (3月発行予定) (1997)