1996 Fiscal Year Annual Research Report
流水中に瞬間的に投下された土砂の流動・拡散・堆積現象の解明に関する研究
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08455232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
秋山 壽一郎 九州工業大学, 工学部, 助教授 (20192916)
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Keywords | 密度流 / サーマル / 海洋汚濁 / 画像解析 |
Research Abstract |
平成8年度では、一様流発生装置付の水槽をはじめとする実験装置の作成およびパソコンによる画像解析処理法の確立を平成8年9月までに完了し、静水中ならびに流水中の濁水の流動・拡散現象に関する実験研究およびデータ整理を平成8年10月〜平成9年2月の期間で行った。 流水中における土砂の流動・拡散特性は現在のところ全く分かっていないのが実情である。そこで、いきなり沈降速度を有する土砂を流水中に投下するような実験研究を行ったのでは、濁水の流動・拡散過程に流水と沈降速度が及ぼす影響を適切に評価できないと考えられる。そこで、瞬間的に投下された濁水の流動・拡散現象に及ぼす周囲流水の効果を調べる目的で、濁水として着色した塩水を用いた。これは、海洋汚濁で問題となる沈降速度が極めて小さな微細土粒子の流動・拡散現象を対象としていることを意味する。また、流水中のみならず、静水中に瞬間的に投下された濁水の流動・拡散現象に関するものを行った。その際、流入条件は9通り、流水中の場合の一様流速は3通りに変化させた。静水中と流水中の場合での流入条件を同一にして実験を行うことによって、濁水の拡散に及ぼす流水の効果の評価を可能とした。 静水中では、濁水塊の形状は楕円形で近似できること、形状のアスペクト比と断面面積比は流入条件と独立にほぼ一定値を取ること、濁水塊の降下速度は降下距離の-1/2乗に比例すること、濁水塊の成長率は降下距離の1乗に比例すること、濁水塊の平均有効重力は降下距離の-2乗に比例すること、濁水塊のOverall Richardson数は流入条件と独立にほぼ一定値を取ること、連行係数はほぼ一定値を取ること、濁水塊の降下速度、成長率、平均有効重力および連行係数は流入総有効重力に依存することなどが明らかとなった。 一方、流水中では、濁水塊の形状は楕円形で近似できること、形状のアスペクト比と断面面積比は流入条件に独立にほぼ一定値を取りその値は静水中とあまり変わらないこと、濁水塊の水平移動速度は降下距離の-1/2乗にほぼ比例しその値は静水中とあまり変わらないと、濁水塊の成長率は降下距離の1乗に比例し静水中よりやや大きいこと、濁水塊の平均有効重量有力は降下距離の-2乗に比例しその値は静水中より小さいこと、濁水塊のOverall Richardoson数は流入条件と独立にほぼ一定値を取ること、連行係数はほぼ一定値を取りその値は静水中とほぼ同じであること、データのちらばりがあるため断定はできないが、濁水塊の降下速度、成長率、平均有効重力および連行係数は流入総有効重力に依存する傾向がみられることなどが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 秋山ら: "静止流体中に瞬間的に投下された重たい流体塊の流動特性" 土木学会西部支部発表会講演概要集. 150-151 (1997)
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[Publications] 秋山ら: "静止流体中に瞬間的に投下された重たい流体塊の流動特性の予測" 土木学会西部支部発表会講演概要集. 148-149 (1997)
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[Publications] 秋山ら: "流水中に瞬間的に投下された重たい流体塊の流況について" 土木学会西部支部発表会講演概要集. 146-147 (1997)
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[Publications] 秋山ら: "流水中に瞬間的に投下された重たい流体塊の流動特性" 土木学会西部支部発表会講演概要集. 144-145 (1997)