1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
豊田 淳夫 宇都宮大学, 工学部, 教授 (90197400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 浩志 宇都宮大学, 工学部, 助手 (90238907)
入江 康隆 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (40114970)
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Keywords | 鋼構造 / 高力ボルト接合 / H形梁 / 断面欠損 / 梁継手 / ボルト孔 |
Research Abstract |
鋼構造骨組の梁継手では一般にボルト孔による断面欠損が生じているが,このようなボルト孔による断面欠損がH形断面梁の最大耐力及び塑性変形能力に与える影響についてこれまで実験資料が少なく,明らかになっていない点が多いため,H形断面梁についての曲げ加力実験を行った。H形断面梁の基本的な力学性状を見ることを目的とし,梁断面サイズ,ボルト行数,ボルト孔径を実験変数とした。実験に用いたH形断面梁は,断面サイズ500×200の梁幅および梁せいを共通とし、フランジ厚、ウェブ厚を変えた3種類であり,梁のフランジのみに1列のボルト孔をあけ,ボルト行は2行または4行として,ボルト孔径を変化させた。設定したフランジの断面欠損率は20%から30%である。加力は、アムスラ-試験機による一方向2点載荷形式とし,梁中央部分に純曲げを作用させる。使用鋼材は,全試験体ともSM490である。実験では,梁材の幅厚比が小さい場合は,フランジ断面欠損部分の破断を生じ,幅厚比が大きなものはフランジおよびウェブの局部座屈を生じて最大耐力を示した。局部座屈を生じる場合の最大耐力および塑性変形能力は,欠損部分の破断が生じる場合に比べてかなり小さいものとなっている。2種類の破壊形式によらず断面欠損の大きくなるにつれて最大耐力、塑性変形能力ともに幾分小さくなる傾向があるが,断面欠損率が25%未満ではその割合は小さく,断面欠損が最大耐力、塑性変形能力に与える影響はあまり大きくないといえる。最大耐力の評価として,断面欠損部分の破断形式の場合、実験値は有効断面の破断に基づく場合の計算値に対して,ほぼ1割程度大きくなっており安全側の評価が可能である。局部座屈による場合は,現在の設計では断面欠損の影響が考慮されていないため,断面欠損が大きい場合には,実験値は計算値に対して小さくなり危険側の評価となる可能性がある。
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