1997 Fiscal Year Annual Research Report
プレキャスト・プレストレストコンクリート部材の弾塑性復元力特性
Project/Area Number |
08455247
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩原 等 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50272365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松森 泰造 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10272361)
小谷 俊介 東京大学, 大学院・系研究科, 教授 (30133101)
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Keywords | プレストレストコンクリート / 復元力特性 / 履歴特性 / 曲げモーメント・曲率関係 / 緊張材 / 付差 / 抜け出し |
Research Abstract |
プレストレスト鉄筋コンクリート造部材の復元力特性を得るために、梁降伏型に設計された3体の1/2.7スケールの外部柱・梁部分架構試験体を作成した。試験体の変数は、スラブの有無と加力点から危険断面までの距離(せん断スパン)とした。これらの試験体について漸増振幅静的繰り返し載荷実験を行い、履歴形状や荷重と変形の関係に及ぼすスラブとシアスパンの長さの影響を検討し、次の結論を得た。スラブ付き試験体のスラブ引っ張り時には、部材角1/100で全幅のスラブ筋が降伏し全幅有効となった。PC鋼棒の荷重履歴に伴う応力は、部材角が1/200以下ではほとんど応力減退は見られないが、部材角1/50では、70〜80%に低下した。スラブ付き試験体では、スラブのない試験体と比較して応力減退が最大で10%ほど小さくなった。エネルギー吸収能力におけるスラブの効果は、スラブがないものと比較して、部材角が1/100で等価粘性減衰が1.7倍、1/50で1.2倍となり向上した。エネルギー吸収能力におけるせん断スパン長さの効果は、せん断長さがおよそ1/2になると、部材角が1/100で等価粘性減衰が1.7倍、1/50で1.3倍となり向上した。スラブを除いた短形断面に対してプレストレスの偏心がない場合にも、スラブが付帯するために実質的にはプレストレス偏心があるので、変位振幅が増大し、圧縮領域のコンクリートの圧壊が進むにつれ、荷重をゼロにしたときの変位(履歴中心)が次第にスラブ引っぱり側に移動する現象が見られた。
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