1996 Fiscal Year Annual Research Report
履歴減衰機構を有する建築物の耐震・耐風設計の最適化
Project/Area Number |
08455248
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田村 哲郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (90251660)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 嘉晃 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (40272702)
和田 章 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (90158684)
|
Keywords | 耐震設計 / 耐風設計 / 最適化 / 履歴減衰 / 空力減衰 / 空力振動 / 弾塑性 / 数値解析 |
Research Abstract |
大震災後、建築物の耐震設計に関して、新しい方向が生まれてきており、たとえば異なる材料特性を有する鋼材を組み合わせ、そのうち低いレベルで降伏する鋼材の履歴によってエネルギーを吸収するという、履歴減衰機構を有する建築物が度々登場することとなり、その耐震性能に関する研究は今後大いに発展するものと思われる。しかしながら、耐震性能を優先させて設計された建築物が耐風性能上も優れているとは必ずしも言えない。特に、超々高層建物などの大規模構造物の場合、耐風設計上の要求が最重要となることも考えられ、材料特性ならびの変形性能が異なる鋼材を組み合わせて作った建築構造物の耐風安全性はどのように確保されるかという課題が生じることになろう。本研究では、履歴減衰機構を有する建築物を対象に耐震および耐風設計の両面から最適に行うことが実現できるよう地震時ならびに強風時の建築構造物の応答性状を種々の角度から検討するものである。 本年度の成果は以下の通りである。 1.履歴減衰機構を有する建築物の地震時の応答性状の整理 高層建築物を対象に地震時の応答解析を実施し、その結果を整理しながら、最適な耐震設計に関する知見をまとめた。特に、履歴減衰が振動特性にどのように関わるかなどを系統的に明らかにした。 2.地震時および強風時の構造設計上の必要条件の提示とその指標の提案 高層建築物の地震時、強風時の構造設計上の必要条件を割り出し、設計の最適化を行う上での検討事項を明らかにした。特に、各種入力エネルギーの特性を検討し、耐震・耐風性能確保のための指標を提示した。 3.強風時における建築構造物の弾塑性挙動の把握 空力問題と弾塑性問題を総合的に捉え、強風時における建築構造物の弾塑性挙動の把握した。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] 田村 哲郎: "角柱まわりの流れと空力特性の辺長比による変化" 日本建築学会構造系論文報告集. No.486. 153-162 (1996)
-
[Publications] 田村 哲郎: "超高層建築物に作用する空気力の低減効果に関する基礎的研究" 第14回風工学シンポジウム論文集. 365-370 (1996)
-
[Publications] 田村 哲郎: "円柱の流れ方向と流れ直角方向の渦励振に関する3次元シミュレーション" 第14回風工学シンポジウム論文集. 181-186 (1996)
-
[Publications] 和田 章: "有限要素法によるアンボンドブレースの弾塑性挙動解析と実験結果との比較 その1 風直角方向振動の場合" 日本建築学会構造系論文報告集. No.484. 111-120 (1996)
-
[Publications] 和田 章: "弾塑性構造物の風応答性状ならびにその予測に関する研究 その2 風方向振動の場合" 日本建築学会構造系論文報告集. No.485. 25-34 (1996)
-
[Publications] 伊藤 嘉晃: "振動する角柱まわりの流れと風圧力に関する3次元解析の予測精度" 日本建築学会構造系論文報告集. No.492. 29-36 (1997)
-
[Publications] 田村哲郎: "Numerical prediction of wind loading on buildings and structures" IWEF, 200 (1996)
-
[Publications] 和田 章: "動的外乱に対する設計の展望" 日本建築学会, 365 (1996)