1998 Fiscal Year Annual Research Report
構造要素の振動形の拘束により力学特性を変化させて振動制御する制震工法の研究
Project/Area Number |
08455250
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Research Institution | Fukui University |
Principal Investigator |
田川 健吾 福井大学, 工学部, 教授 (90206904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 真功 福井大学, 工学部, 助教授 (90154393)
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Keywords | アクティブ制震工法 / 可変剛性ばね / スライディングモード制御 / コンピュータ制御 / リアプノフの漸近安定条件 / 最適切替面 / 模型振動実験 |
Research Abstract |
この研究は、耐震壁のような曲げ変形型の耐震要素とラーメン架構のようなせん断変形型の耐震要素が混在する一般のビル建築において、これらの耐震要素間に働く地震時せん断力をアクティブに制御して、建物全体の動力学特性を時時刻刻に変化させて制震(振)する新しいアクティブ制震工法の開発を目標としている。一昨年度は主に1質点系モデルについてスライディングモード制御理論を適用し、最適切替平面からスライディングモード発生の条件を求めると共にリアプノフの漸近安定条件から制御コントロール法を導き、コンピュータシュミレーションによりその妥当性を確かめた。昨年度はこの成果を実験によって確かめるべく、1層の曲げせん断型架構模型を作成し、振動台を使って実地震と人工地震の両波形に対する地震応答実験を実施した。実験の結果、所定の制御性能を確認することが出来たが、制御の時間遅れ、架構に存在する摩擦抵抗など実際にアクティブ制御する場合に避けられない問題点の制御性能に及ぼす影響が大きいことが判明した。今年度は2質点系モデルについて新たにスライディングモード制御理論を構築した後、変動剛性幅の組み合わせと制御性能の関係を広いパラメータ範囲で数値解析的に検討し、同時にスライディングモード発生のための限界変動剛性幅を推定した。この解析の結果、スライディングモード発生の限界変動剛性幅はかなり大きいことが判ったため、他の2つのより現実的な制御法-最大消費エネルギー法(Bang-Bang制御)と応答予測法-についても検討し、比較的小さな変動幅ではスライディングモード制御より高い制御性能を示すことを明らかにした。また2層曲げせん断型架構模型を作成し、振動台により実地震波と人工地震波に対して地震応答実験を実施し以上の数値解析結果を検証した。
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[Publications] K.Tagawa, M.Shintani: "ACTIVE STRUCTURAL CONTROL BY VARYING BOUNDARY STIFFNESS BETWEEN LATERAL RESISTANT STRUCTURAL COMPONENTS" 1998 ASME/JSME Joint PVP Conference,. PVP-Vol.379. 171-176 (1998)
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[Publications] 田川健吾: "耐震要素の変形モード拘束によるアクティブ制震システムの研究" 日本建築学会大会学術講演梗概集(九州)、. B-2,. 751-752 (1998)
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[Publications] K.Tagawa, M.Shintani and S.Ikutama: "Active Structural Control by Varying Boundary Stiffness between Lateral Resistant Structural Components" 2^<nd> World Conference on Structural Control. WH13,. 259-230 (1998)