1996 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋コンクリート柱・梁接合部の耐力とフレームの耐震性能
Project/Area Number |
08455256
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 栄 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70144334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 一蔵 大阪大学, 工学部, 助手 (40234215)
近藤 吾郎 京都大学, 工学研究科, 助手 (30195896)
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 柱・梁接合部 / せん断強度 / プレート定着 / U字型定着 / 付着 / せん断 / 抜けだし |
Research Abstract |
本年度の研究項目と得られた成果は以下のとおりである。なお,研究計画を一部変更して、平成9年度実施予定の実験(下記4)を今年度に早めて行った。 1.隅柱・梁接合部の二方向載荷時のせん断耐力 隅柱・梁接合部の二方向載荷実験結果より、二軸せん断破壊曲線がほぼ円弧で表されることが明らかになった。また、隅柱では梁主筋の定着方法によって大きく影響を受け、出隅部の柱筋が曲げ抵抗に寄与しなくなることが判明した。詳細なひずみ計測によって二方向荷重下でのせん断抵抗機構モデル作成のための知見を得ることができた。 2.ト型柱・梁接合部に於ける梁主筋の抜け出し特性のモデル化 折り曲げ定着特性の定式化を行った。モデルは、主に折り曲げ部以降の支圧力と抜けだしの関係が支配的であり、柱コア内、コア外の位置によって異なることをモデル化した。 3.十字型柱・梁接合部における梁主筋の付着すべり特性のモデル化とパラメータ解析 十字型柱・梁接合部の通し配筋されるはり主筋の付着すべり特性を柱軸応力、せん断応力の関係としモデル化した。鉄筋応力(ひずみ)と接合部からの抜けだし量の関係を得るためのパラメータ解析は現在継続実施中である。 4.L字型、T字型接合部のせん断耐力 最上階のL字型、T字型接合部についてせん断耐力を直接、調査するための実験(平成9年度に実施予定であるが、今年度)を実施した。この結果、T字型接合部のせん断強度はト字型接合部の強度にほぼ等しい。L字型接合部では正載荷時にはT字型と同じせん断強度を有するが、負載荷時はその60%程度の耐力となること、プレート定着では正荷重時の耐力がU字型定着に比して大幅に低下することがある等の知見を得た。
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