1998 Fiscal Year Annual Research Report
耐震構造要素としての超高強度コンクリート充填鋼管柱の鋼管亀裂脆性破壊と終局状態
Project/Area Number |
08455263
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
最相 元雄 熊本大学, 工学部, 教授 (40040448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 量哉 都城工業高等専門学校, 助教授 (10179278)
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Keywords | コンクリート充填鋼管 / 超高強度コンクリート / 終局耐力 / 塑性変形能力 / 復元力特性 / 耐震構造 |
Research Abstract |
コンクリート充填鋼管(CFT)はコンクリートと鋼管の長所と短所を巧みに組み合わせた構造部材で、普通強度コンクリートを充填した場合のみでなく1000kgf/cm^2を越える圧縮強度の超高強度コンクリートを充填した場合であっても、そのせん断曲げ柱は地震力のような動荷重に対して高い終局耐力と塑性変形能力を発揮し、優れた耐震構造要素としての条件を備えていることを昨年度までの実験資料で示しこれを報告した。 この中で、CFT柱の終局状態は、一定軸力下において軸方向塑性変形が徐々に増加した後これが急増して軸力保持不能となる状態と柱端近くに鋼管を輪切りにする形の鋼管亀裂が発生して曲げ耐力が急激に低下する場合の2種類があることを示した。前者は徐々にその終局状態に到るのに対して、後者は脆性的な破壊挙動でこれは耐震構造要素として極めて不利な性状である。このため、CFT柱に耐震構造要素としてその高い耐力と塑性変形能力を発揮させるためには、鋼管亀裂発生による終局状態を的確に捉えられることが必要である。 このCFT柱の鋼管亀裂に関して研究した報告がまだ見られない状況を考慮し、本年度は耐震構造要素としてのCFT柱を対象に実施した繰り返し動載荷実験及び静載荷実験の結果より、鋼管亀裂発生による終局状態及び鋼管亀裂益生までの柱の累積塑性変形能力を得るとともに、この実験値から累積塑性変形能力式を導いた。さらに、これまでの研究を総括するものとして、CFT構造の強震動応答解析に適用する動的復元力モデルを、Tri-Linear ModelとClough Modelを組み合わせた形で表現し、これを提案した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 最相元雄,光成和昭: "超高強度コンクリート充填鋼管せん断曲げ柱の終局挙動に関する実験的研究" 日本建築学会構造系論文集. 第250号(掲載決定). (1999.6)
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[Publications] 最相元雄,阿部貴之,中矢浩二: "超高強度コンクリート充填円形鋼管柱の終局曲げ耐力と累積塑性変形能力に及ぼす柱長さの影響" 日本建築学会大会学術講演梗概集C-1. 1147-1148 (1998.9)
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[Publications] 最相元雄,須田量哉,杉本崇,古金俊郎: "変動軸力を受ける鉄筋コンクリート柱の復元力モデルに関する実験的研究,その1 鉄筋コンクリート柱の動載荷実験と復元力モデル" 日本建築学会大会学術講演梗概集C-2. 421-422 (1998.9)
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[Publications] 最相元雄,田添知和: "変動軸力を受ける鉄筋コンクリート柱の復元力モデルに関する実験的研究 その2 復元力モデルと鉄筋コンクリート骨組の強震動応答" 日本建築学会大会学術講演梗概集C-2. 423-424 (1998.9)
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[Publications] 最相元雄,松山輝男,須田量哉: "運動的変動軸力を受ける鉄筋コンクリートせん断曲げ柱の復元力モデルに関する実験的研究" 構造工学論文集. Vol.45B(掲載予定). (1999.3.)