1998 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋コンクリート部材の強度と変形性能の把握に関する研究
Project/Area Number |
08455265
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Research Institution | NIHON UNIVERSITY |
Principal Investigator |
安達 洋 日本大学, 理工学部, 教授 (40059928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森泉 和人 日本大学, 理工学部, 助手 (80277384)
中西 三和 日本大学, 理工学部, 助教授 (40147690)
白井 伸明 日本大学, 理工学部, 教授 (90060144)
青山 博之 日本大学, 総合科学研究所, 教授
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 変形性能 / 破壊解析 / 寸法効果 / せん断変形挙動 / 柱梁接合部 / 損傷評価 / エネルギー吸収部材・ダンパー補強 |
Research Abstract |
本年は最終年度であり、研究目的I〜IIIに対応して解析的研究を中心とした取りまとめを行った。以下に、当該年度の研究目標と、その実績を項目ごとに整理した。 1. 研究目的I:せん断変形挙動を表現可能なマクロモデルの適用性と脆性破壊挙動に及ぼす寸法効果を確認すること。 (1) せん断変形挙動を再現可能なマクロモデルを用いたRC部材解析を行い部材挙動に及ぼす要因を把握し整理した。 (2) 試験体寸法の異なるコンクリートのミクロ-マクロ破壊挙動解析から巨視的破壊特性の把握を試みた。 2. 研究目的II:昨年度までに実施した実験成果をもとに既存建物にダンパーを組み込むための実用的な設計法の提案を行うこと。また、柱梁接合部の挙動に及ぼす軸力変勧の影響を調べるための補足実験を行い、これまでの成果をあわせ耐震性能向上に必要な要因を整理すること。 (1) 耐震補強に必要な摩擦ダンパーの概算量を求める実用的な補強設計法の提案を行った。 (2) 変動軸力を受けるRC造ト型柱梁接合部の静的載荷実験結果を実施しこれまでの研究成果を補足した。 3. 研究目的III:各種部材モデルを適用可能な地震応答解析手法を用いて、既存建物にダンパーブレースを組み込んだRC骨組の応答解析を行い、提案した実用設計法の有効性を確認すること。また、地震によって被災したRC建物の損傷度を地震応答解析結果から同定する手法を確立すること。 (1) 実在建物を対象に弾塑性地震応答解析法を用いたケーススタディを行い、ダンパー概算量を求める実用設計法の有効性を確認した。 (2) ファイバー法を組み込んだ非線形地震応答解析法によりRC建物の損傷評価を行うためのアルゴリズムを完成させた。 さらに、これまでの成果を取りまとめた研究報告書を作成した。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] 田島徹也: "主筋抜け出しを考慮した鉄筋コンクリート造建物の地震損傷解析" コンクリート工学年次論文報告集. 20・3. 31-36 (1998)
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[Publications] 中西三和: "鉄筋コンクリート造卜型柱梁接合部の力学的性状に及ぼす載荷速度の影響に関する実験的研究" コンクリート工学年次論文報告集. 20・3. 553-558 (1998)
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[Publications] 須賀啓晶: "粒子モデルによるコンクリートの引張軟化解析" コンクリート工学年次論文報告集. 20 3. 121-126 (1998)
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[Publications] K.Kitajima: "A Study on Seismic Retrofitting Techniques to Existing R/C Buildings by Means of Damper" 2nd World Confernce on Structual Control. (1998)
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[Publications] 須賀啓晶: "コンクリートのミクロ-マクロ破壊挙動解析" 日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2. 527-530 (1998)
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[Publications] 大島快仁: "コンクリートの脆性破壊実験および解析" 日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2. 535-536 (1998)
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[Publications] 中西三和: "鉄筋コンクリート造卜型柱梁接合部の静的および動的載荷実験" 日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2. 545-548 (1998)
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[Publications] 安達洋: "ダンパーを組み込んだ鉄筋コンクリート造建物の応答予測に関する研究" 日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2. 17-20 (1998)
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[Publications] 北嶋圭二: "ダンパーを用いた既存RC造建物の耐震補強法に関する研究" 日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2. 161-168 (1998)
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[Publications] 松本優: "耐震補強された鉄筋コンクリート造建物の動的3次元弾塑性解析" 日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2. 39-40 (1998)
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[Publications] 田島徹也: "ファイバー法を用いた非線形地震応答解析に基づくRC建物の損傷評価" 日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2. 65-70 (1998)
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[Publications] Shirai N.: "Fromulation of Shear Strength Design Formula for Reinforced Concrete Beams Consideing Size Effect" Fracture Mechanics of Concrete Structures. Vol.II. 1407-1418 (1998)
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[Publications] 北嶋圭二: "摩擦ダンパーを用いた制震レトロフィット技術の研究・開発" 第10回日本地震工学シンポジウム. No.568. (1998)
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[Publications] 山田高史: "変動軸力を受ける鉄筋コンクリート造卜型柱梁接合部の実験" 第42回日本大学理工学部学術講演論文集. 構造・強度. 82-85 (1998)