1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455271
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Research Institution | 九州芸術工科大学 |
Principal Investigator |
石井 昭夫 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (40087276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 純一郎 琉球大学, 工学部, 助教授 (60192647)
齋藤 基之 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 助手 (30295000)
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Keywords | 屋外環境 / 樹蔭 / 日向 / 気温垂直分布 / 被験者実験 / グローブ温度 / 地表面披覆材料 / 温熱感覚 |
Research Abstract |
1.緑地の温熱環境における物理的特性 (1)地表面近傍の微気象特性:福岡市及び那覇市において、地表面構成材料の異なるいくつかの地表面を選び、地表面から1〜2mの極接地底層の気温垂直分布及び鉛直方向の顕熱流束を夏季、秋季及び冬季に測定した。樹木がなく上方が開放した空間の場合は、アスファルトあるいは陶器タイルの人工的被覆材料においては、昼間は日射の影響により地表面温度の増加が著しく、このため地表5cm以下の気温も大きく上昇する。夜間は地表面温度をはじめとして全体的に低下するが、下方が高い温度分布は保持されたまま翌朝に至る。これに対して、草地においては、昼間はタイル面等と同様に下方空気の温度は上昇するが、夜間は20cm以下の空気温度が50cm以上よりも低温となる。樹蔭(裸地)においては、一日を通じて気温分布は小さい。夜間における熱流実測の結果、タイル面では地表面から上空へ上向きに流れ、草地面では反対に下向きに流れていることがわかり、気温分布に基づいた熱流に関する推論が裏付けられた。 (2)熱環境特性に関する測定:直径7.5cmと15cmの2種類のグローブを用いて放射温度測定値に及ぼす球径の影響を検討した。那覇市の2つの小学校校庭において温熱環境実測を行い、日射遮蔽(樹蔭及び建物蔭)による温熱環境への影響を調べた。 2.緑地環境の人体温熱感覚に及ぼす影響 樹蔭に形成される温熱環境における人間の温熱感覚を調べるために、日向アスファルトと樹蔭裸地の2つの曝露空間において、被験者による温熱感覚申告実験を行った。 樹蔭は日向に比べて、グローブ温度が平均約60℃低いが、気温も約1.0℃低くなっており、快適側の申告が多く得られている。グローブ温度Tg・作用温度OT・熱帯夏季暑熱指数TSI・標準有効温度SET*など放射を考慮した温熱指標は、快適感と比較的高い相関を示した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 渡邉弥恵 ほか: "屋外環境における快適感に関する被験者実験" 日本建築学会大会学術講演梗概集. D-2. 367-368 (1997)
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[Publications] 仲松 亮 ほか: "那覇市内の小学校における植栽の調査と屋外温熱環境の予測" 日本建築学会大会学術講演梗概集. D-1. 1017-1018 (1997)
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[Publications] 大井 元 ほか: "夏期における地表面近傍の温度分布に関する実測調査" 日本建築学会九州支部研究報告. No.37-2. 209-212 (1998)
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[Publications] 仲松 亮 ほか: "小学校における屋外温熱環境調査" 日本建築学会九州支部研究報告. No.37-2. 297-300 (1998)