1997 Fiscal Year Annual Research Report
震災時における避難拠点の形成・消滅過程の実態調査に基づく地域施設整備水準の適正化
Project/Area Number |
08455276
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柏原 士郎 大阪大学, 工学部, 教授 (70029164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪田 弘一 大阪大学, 工学部, 助手 (30252597)
横田 隆司 大阪大学, 工学部, 助手 (20182694)
吉村 英祐 大阪大学, 工学部, 助教授 (50167011)
森田 孝夫 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (90107350)
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Keywords | 地震 / 避難所 / 地域施設 / 圏域 / 空間転用 |
Research Abstract |
本年度は、兵庫県南部地震の被災地で避難所となった学校や公共施設における昨年度の実態調査に引き続き、継続調査していたテント村や公共・学校体育館を対象とした研究結果をまとめた。本研究で明らかになったことは以下の通りである。 1.テント村の実態を調査した結果: (1)公園などのオープンスペースでは、既存の公園内施設に加えて、木造子屋やテントを主体とした仮設建物により避難所が形成され、その存続期問は長期にわたるものが多かった。 (2)テント付の機能は、住居機能に加えて、飲食店などの仮設店舗、ボランティアや行政の対策本部、自衛隊駐屯地、救護所など複合利用も多くみられた。 (3)共用設備としては、小規模なテント村では仮設便所や水道程度しかないが、大規模テント村になるとシャワーハウスや炊事場、テント村本部などが設置されていた。 2.公共体育館と学校体育館の建築計画を分析した結果: (1)神戸高校体育館や王子スポーツセンターは、ともに建築面積や空間構成にゆとりがあり、かつ機能や設備面の水準が高かったために、避難所として充分機能した。このように、長期間避難所にある事態を想定した建築計画上の配慮が必要である。 (2)体育館の計画上の提案としては、避難所になるゾーンと他の部分が使用する段階で分離できる平面計画であること、そのためには便所や更衣室といった小部屋の充実も有効であることを明らかにした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 阪田弘一ほか: "阪神・淡路大震災における地域施設の避難所ヘの転用実態に関する研究" 日本建築学会計画系論文集. 498. 123-130 (1997)
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[Publications] 阪田弘一ほか: "阪神・淡路大震災における避難所の圏域構造に関する研究" 日本建築学会計画系論文集. 501. 131-138 (1997)
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[Publications] 阪田弘一ほか: "阪神・淡路大震災におけるテント村の実態に関する研究" 地域施設計画研究. 15. 263-270 (1997)
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[Publications] 吉村英祐ほか: "避難所としての利用を想定した学校体育館の建築計画のありかたについて" 地域施設計画研究. 15. 271-278 (1997)
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[Publications] 柏原士郎ほか: "阪神・淡路大震災における避難所運営の実態に関する研究-神戸高校体育館を中心として-" 日本建築学会近畿支部研究報告集. 35. 125-128 (1997)
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[Publications] 横田隆司ほか: "被害程度の異なる地域別に見た地震後の避難行動について" 日本建築学会近畿支部研究報告集. 35. 145-148 (1997)
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[Publications] 柏原士郎ほか: "阪神・淡路大震災における避難所の研究" 大阪大学出版会, 342 (1998)