1996 Fiscal Year Annual Research Report
ナビゲーションにおける通路網構造の把握と通路の視覚的特性との関係に関する研究
Project/Area Number |
08455277
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
舟橋 國男 大阪大学, 工学部, 教授 (50029203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木多 道宏 大阪大学, 工学部, 助手 (90252593)
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Keywords | ナビゲーション / 経路探索 / 迷路 / 連行歩行学習 / 平面図学習 / 3次元ステレオグラム / ウオ-クスルー |
Research Abstract |
ナビゲーション事態を対象として、2つの通路網タイプ--格子状・不整形--をそれぞれ模した迷路環境について、初期情報として、(1)通路の視覚的特性あるいは(2)通路網タイプの空間構造に関する概念的知識、の2種類を取り挙げ、これら情報の差異によるナビゲーション行動および環境把握の傾向を比較検討するために、今年度は以下の準備と予備的実験を行った。 <1>実験準備と実験計画の検討 1)既設の「空間・環境VRシミュレーションシステム」を基幹装置とし、実験用環境としての迷路空間モデルのグラフィックデータ、ならびに歩行に伴う視覚的環境変化のリアルタイム3次元ウオ-クスループログラムを作成した。 2)通路網タイプを、T字型迷路ならびにY字型迷路とし、その規模をそれぞれ2種類とした。 3)出発点から目的点へ迷わず歩行できるまで学習させた後、目的点から出発点に戻る課題とした。学習方法は、連行歩行と平面図による学習とし、前者は迷路空間内の視覚的な様相を継時的に提示し、後者は迷路の平面図を30秒間記憶させた。 4)課題遂行中の経路・ナビゲーション後のスケッチマップ・インタビューを記録する。 <2>予備実験結果 以上に基づいて、各実験条件につき被験者20名によって予備的実験を行った結果、 1)実験の装置・プログラムの作動性は概ね所期の目的を達成し得ると判断された。ただし、被験者の身体寸法(例えば両眼間距離)に合わせるプログラムの修正、マウス操作性改善の必要性が指摘された。 2)課題遂行は、T字型よりもY字型において、また、迷路の規模が大きいほど困難であった。 3)T字型迷路の場合は、連行歩行による学習においても経路の構造を平面図化して定位し、その規模が大きい場合にも可能であった。Y字型迷路は平面図で学習された場合でも、構造的な把握は困難で、曲折方向の維持的順序記憶に依る傾向がみられた。
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