1996 Fiscal Year Annual Research Report
前駆体への無機化合物添加による炭素の組織制御と化学・力学特性の向上
Project/Area Number |
08455297
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田邊 靖博 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (70163607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤津 隆 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (40231807)
安田 榮一 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (70016830)
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Keywords | 炭素前駆体 / 無機化合物添加 / 力学特性 / 化学特性 |
Research Abstract |
本研究は、申請者らが見出した炭素前駆体への無機化合物添加による組織制御の機構解明と、炭素材料の化学特性(本研究では酸化消耗)、力学特性と組織との関係を検討することを目的としている。 本年度は、まず現有装置のデータをデジタルデータとして取り込み、多次元解析を行うためのデータシステムの構築を行った。 各種無機化合物を添加したフルフリルアルコール初期重合体をマトリックスとするCFRPを作製し、炭素化・黒鉛化処理を施して炭素繊維強化炭素(C/C)複合材料を作製した。これらC/C複合材料の室温での剪断郷土に与える効果を検討し、次の結果を得た。(1)1000℃以上での熱処理に伴う重量減少と剪断強度の間には、高い相関関係があり、重量減少が大きいと剪断強度が低くなる。(2)マトリックス炭素の黒鉛結晶が発達するにつれて、つまり、d_<002>が小さくなるにつれてC/C複合材料の剪断強度が低下する。しかし、Ta_2O_5添加試料ではこの傾向は認めらず、高温でも剪断強度の低下が小さいことが分かった。 さらに、粒径、表面形状(構造)の異なる炭素系粒子を添加したフラン樹脂炭を作製し、黒鉛化に及ぼす無機化合物添加の効果あるいは組織制御の機構を解明する研究を進行している。また、酸化消耗が力学特性に及ぼす効果を検討する目的で、種々の組織を有する黒鉛材料ならびにC/C複合材料の酸化減量特性の測定を開始している。
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[Publications] E.YASUDA et al.: "The Influence of Inorganic Compounds Addition on the Microstructure and Shear Strength of C/C Composite" Proceedings of Pac-Rim 2. (in press). (1997)
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[Publications] Y.TANABE et al.: "Shear Strength of C/C Composites Containing an Inorganic Compound Effective for Anti-oxidation" Journal of Materials Science Letters. (in press). (1997)