1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455303
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡本 泰則 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (50101259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩野 剛司 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (30178850)
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Keywords | セラミックス / 微構造 / 変形 / 破壊 / 拡散 / 粒成長 / 粒界 / 高温 |
Research Abstract |
高温変形と破壊の挙動を調べるため、単相材料としては微粒アルミナ、ムライト、フォルステライトを選んだ。ともに原料粉末や微量添加剤(MgOまたはZrO_2を200から2000ppm)により微構造が制御されており、特にアルミナはサブミクロンの粒径を持ち、速い高温変形を生じる。添加剤の種類に応じて歪み硬化の原因である動的粒成長の程度が異なるが、Y-TZPの超塑性と関連して、粒界の構造と物性(例えば、粒界拡散)を解明する必要がある。変形機構に関しては、律速拡散種の拡散係数に及ぼす添加物(主に粒界に偏析)の影響や変形中の粒成長の移動度を評価した。SEMやTEMなどによる微構造観察とあわせて、継続課題として現在も研究を行っている。 ムライトは数ミクロンの小粒径でありながら変形は生じ難く、高温遅れ破壊やキャビティの生じる場としての粒界がやはり問題であり、特に粒界ガラス相の影響を調べるため3:2ムライトの定比からアルミナ側およびシリカ側へ組成を変化させて高温強度特性を評価した。ムライトは3:2定比、シリカ過剰組成とも、小粒径にもかかわらず、組織中の異方性粒子の影響で上昇型R曲線が見られた。粒界ガラス相のより少ないと見られるアルミナ過剰組成に関しても現在さらに研究が進行中である。またフォルステライトについても、粒界ガラス相と残留マグネシアの高温変形に及ぼす影響が認められ、微構造と変形機構の関係につきより詳細な研究の必要性を示唆している。粒界ガラス相の影響は今後に展開する重要な研究課題と位置づけられる。 複合材料は、アルミナージルコニア(AZ)、ムライト-ジルコニア(MZ)、ムライト-アルミナ(MA)など基本的酸化物同士の系を選び、やはり粒界と力学物性との関係に注目して研究した。AZでは高温変形と動的粒成長に関し、ジルコニア微量添加アルミナとの比較を行い、現象的には変形律速課程の拡散を阻害するジルコニウムの作用を確認した。MZとMAはともに高温破壊に関する基礎データを得て解析を行っている。
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[Publications] T.M.Kyaw, et al.: "Microstructures and Mechanical Properties of Mullite-(Y_2O_3,MgO,and CeO_2-stabilized)zirconia Composito" J.Mater.Sci.32[12]. 5497-5503 (1997)
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[Publications] A.Kumao, et al.: "Electron Microscopic Studies on Structure and Deformation of Superplastic Ceramics" Proc.Swiss-Jpn.Joint Seminar on Elec.Micros.in Mat.Sci.13-16 (1997)
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[Publications] 岡本泰則(分担): "セラミックスの複合化-科学と技術-" 日本セラミックス協会, 346(236-243) (1997)