1996 Fiscal Year Annual Research Report
芯鞘型複合繊維を利用した連続繊維強化熱可塑性樹脂複合材料の試作
Project/Area Number |
08455308
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鞠谷 雄士 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70153046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 正俊 東京工業大学, 工学部, 助手 (10196363)
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Keywords | 複合繊維 / 高速紡糸 / 繊維強化複合材料 / 熱可塑性液晶ポリマー / ポリエチレンテレフタレート / 複合則 / 引張弾性率 |
Research Abstract |
芯鞘型複合繊維の高速紡糸における繊維構造形成に関する基礎的な知見を得るため、各種ポリマーの組み合わせで繊維を作製した。さらに、繊維の構造を複屈折測定などにより評価することを通じて、複合繊維の高速紡糸における成分間相互作用が、繊維中の各成分の構造・物性におよぼす影響につき検討した。次に、2種類の熱可塑性液晶ポリマー(Rodrun LC-3000,Vectra A-950)(以下、LCP)を用い、芯鞘型の複合繊維を作製した。芯部にLCP、鞘部には、上記検討の結果を考慮して、ポリエチレンテレフタレート(PET)を配置した。いずれの組み合わせにおいても、LCPはPETとの複合により可紡性が増し、LCPを単成分で紡糸した場合に比べ、より高い巻取速度での紡糸が可能となった。複合則を用いて、複合繊維中のLCP成分の引張弾性率を推定したところ、特に高速度域で、単成分の紡糸では得られない高い値を示していることが明らかになり、予測したとおり、このポリマーの組み合わせにおいては、複合紡糸がLCPの構造形成を促進する効果も有することが明らかになった。得られた芯鞘型繊維を一軸方向に配列させ熱プレスすることにより、LCPを強化繊維、PETをマトリクス樹脂とする繊維強化複合材料を成形した。ここでPET成分は複合繊維中では非晶性であるが、複合材料の成形プロセス中に結晶化していた。引張試験、3点曲げ試験などにより評価した成形品の力学特性は、複合繊維の物性に比べ多少低下するが、本手法により十分な強度、弾性率を有する連続繊維強化熱可塑性樹脂複合材料が容易に得られることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T,Kikutani: "High-Speed Melt Spinning of Bicomponent Fibers:Mechanism of Fiber Structure Development in Poly(ethylene terephthalate)/Polyproptlene System" Journal of Applied Polymer Science. 62・11. 1913-1924 (1996)
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[Publications] T.Kikutani: "Thinning Behavior of the Spinline in High-Speed Bicomponent Spinning of High Molecular Weight and Low Molecular Weight Poly(ethylene terephthalalte)" Sen*i Gakkaishi. 52・11. 618-622 (1996)