1996 Fiscal Year Annual Research Report
ド-ピング法を用いた界面操作による超高温複合材料の基礎的研究
Project/Area Number |
08455312
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福永 秀春 広島大学, 工学部, 教授 (90034347)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 元 広島大学, 工学部, 助教授 (30192595)
|
Keywords | 界面操作 / ド-ピング法 / 複合材料 / 接合 / 高融点金属 / セラミックス / 機械的性質 / 微細構造 |
Research Abstract |
本研究は、強化材の表面に化学修飾やイオン注入等の方法により化学物質をドープして界面結合を操作し、複合体を作製し、その界面の組織や構造と機械的性質の関係を原子的レベルまでおよんで調べるものである。本年度はセラミックス粉末あるいは板にボールミル法や化学修飾法によりNa元素をドープしてその表面を改質し、金属との複合化過程を組織的に明らかにすることを目的とした。以下に得られた結果を示す。 (1) TiO2粒子分散Al複合材料の界面構造の解析:NaをドープしたTiO2粒子とAlの複合材料をスクイズキャスト法により作製し、その後の熱処理による微細構造の変化を明らかにした。NaをドープしたTiO2粒子の表面にはNaとTiの複酸化物と思われる層を形成しており、この層を介してAlを反応する事により低温でAl203を形成することがわかった。また、TiとAlは反応して金属間化合物を形成するが、TiとAl金属間化合物同士、Ti-Al金属間化合物とAl203は原子レベルで整合性の良い界面を形成することが分かった。 TiO2-Alの接合:TiO2板表面でNaCO3を溶解させることによりTiO2表面にNaTi6O13の層を形成させ、Al板との接合を試みた。その結果、ホットプレス温度600℃で接合が可能となることが分かった。また、NaTi6O13層を薄くすることにより接合強度は高くなり、破断面もNaTi6O13層からTiO2側に変わることが分かった。 (3)α-A12O3粒子分散Nb複合材料の作製と界面組織の解析:α-Al2O3粒子とNaCO3粒子をボールミルにより混合、焼成することによりAl2O3粒子表面に厚さ数百nm以下のβ-Al2O3層を形成させる事ができた。これをNbと混合してホットプレス焼結することにより複合材料を得た。1500℃でのホットプレス焼結により得られた複合材料はドープしないものと同等の機械的性質(曲げ強度、硬度)を示すが、その破面のところどころにα-Al2O3粒内でのへき界破壊が見られた。 (4)α-Al2O3とNbの接合:α-Al2O3板表面にNaCO3によりNa元素を化学修飾させ、焼成する事によりβ-Al203層を形成させ、ホットプレスによりNb板との固相接合を行った。1400℃のホットプレスでNaを修飾しない接合体と同程度の接合強度を示した。また、β-Al2O3層を薄くすることにより接合強度は上昇した。β-Al2O3層とNbは原子レベルで整合性の良い界面を形成していたが、α-Al203とβ-Al203界面には多くの空隙があることが分かった。
|
Research Products
(2 results)