1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455313
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸山 公一 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90108465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 裕之 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (10225998)
小池 淳一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10261588)
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Keywords | 高温構造材料 / 高温クリープ / チタンアルミナイド / 材料設計 / 組織制御 / ラメラ組織 / データベース |
Research Abstract |
α_2Ti_3Al相とγTiAl相からなる二相チタンアルミナイドは,軽量でかつ高い高温強度を示し,次世代の高温材料として注目されている.この材料をより高性能化するには,その組織を最適に設計する方法論を確立する必要がある.本研究では,その基礎として,チタンアルミナイドの組織と高温強度の関係を検討し,以下の結果を得た. 1.一般に完全ラメラ(層状)組織を持つ材料では,ラメラ層間隔が小さいほど、高いクリープ強度を示す.ただし低クリープ速度(低応力)では,層間隔の細かい組織で3次クリープ域での弱化(クリープ速度加速)が激しくなり,層間隔微細化による強化が消失する.これは,微細な層間隔の材料のラメラ組織が熱的に不安定で,変形中に動的再結晶や不連続粗大化反応を起こすこと,低応力ではα_2相中のa+2c転位の活動が容易になることが,その原因である. 2.ラメラ組織を高温で焼鈍すると,不連続粗大化反応が事前に完了し,粒界が安定化する.この処理を利用すると,クリープ変形中の動的再結晶や不連続粗大化反応が抑制される.その結果,微細層間隔の材料の低応力側でのクリープ強度が向上し,層間隔微細化による強化を低クリープ速度でも実現できる.ただし,不連続粗大化反応が起きた領域の量が増えすぎると,層間隔増大による材料弱化の逆効果で,全応力範囲のクリープ強度が低下する. 3.複相組織の材料には,γ/γ粒界,γ/ラメラ粒界,ラメラ/ラメラ粒界の3種類の粒界があり,この順に粒界の安定性(動的再結晶に対する抵抗)が向上する.その結果,ラメラ粒の体積比が増えると,クリープ強度が向上する.ただし高応力では、双昌変形がおき,そのことが動的再結晶を助長する.そのため,ラメラ粒体積比増加による強化が,高いラメラ粒体積比まで出現しない.
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[Publications] J.Koike: "Influence of Liquid-Phase Inclusion on High-Temperature Deformation Behavior in Al-Bi Alloys" Mater.Sci.Eng. A234-236. 525-528 (1997)
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[Publications] 丸山公一: "TiAl基軽量耐熱金属間化合物" 日本学術振興会第123委員会研究報告. 38・3. 287-297 (1997)
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[Publications] K.Maruyama: "Examination of Deformation Mechanism Maps in 2.25Cr-1Mo Steel by Creep Tests at Strain Rates of 10^<-11>_s^<-1> TO 10^<-6>_s^<-1>" Mater.Sci.Eng.A224. 166-172 (1997)
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[Publications] K.Maruyama: "Effects of Lamellar Spacing,Volnme Fraction and Grain Size on Creep Strength of Fully Lamellar TiAl alloys" Mater.Sci.Eng.A(印刷中). (1998)
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[Publications] R.Yamamoto: "Effects of Stress and Temperature on Lamellar Spacing Dependent Creep Strength of Fully Lamellar TiAl Alloys" Proc.International Conference on Thermomechanical Processing. (印刷中). (1998)
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[Publications] Ryuichi Yamamoto: "High Temperature Mechanical Properties of Hot Pressed TiN with Fine Grain Size" J.Materials Science. (印刷中). (1998)
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[Publications] 丸山公一: "高温強度の材料科学-クリープ理論と実用材料への適用" 内田老鶴圃, 329 (1997)