1996 Fiscal Year Annual Research Report
アコースティック・エミッションの周波数解析による応力腐食割れ速度と機構の解明
Project/Area Number |
08455319
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
肥後 矢吉 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (30016802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下条 雅幸 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (00242313)
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Keywords | アコースティック・エミッション / 応力腐食割れ / ステンレス鋼 / アルミ合金 |
Research Abstract |
応力腐食割れ機構として、断続的にき裂が進むものと連続的に進むものがある。まずこのメカニズムを明らかにするために、304ステンレス鋼と2014-T652Al合金の定K値リング試験片を用い、ポテンショスタットを用いて試験片を一定電位に保ちながら3.5%NaCl溶液中で応力腐食割れのき裂発生、伝播試験を行った。き裂長さは直流電位差法を用いて測定した。またアコースティック・エミッションを同時に計測し、リアルタイムで応力腐食割れの発生、伝播からき裂に至る過程での割れの伝播速度との比較を行なった。 断続的にき裂が進むものとして2014-T652Al合金を用いた結果、材料内部の欠陥に応力集中が起き、その部分が選択的に腐食することによって腐食部が劣化する。その部分の破壊強度が外部応力を下回るとき、割れが発生し、伝播する。この時、き裂は断続的に進展し、この際弾性波すなわちアコースティック・エミッションが発生した。このき裂進展に伴うアコースティック・エミッションは対極やき裂周辺での水素や気泡の発生と区別でき、振幅が大きくしかも比較的低い周波数成分を多くふくむものであった。素材が押し出し材で結晶粒が極端に偏平であったため破面にはファセットが認められるが、十分な結晶学的な解析は困難であった。 欠陥に応力集中がおき、その選択的な腐食が起き腐食による溶解でき裂が進展し、き裂が伸びて先端の応力が上昇し破壊強度を上回ったとき破壊に至る材料として304ステンレス鋼を用いた結果き裂は静かに連続的に進んでいった。この際、アコースティック・エミッションは検出されるが対数表示をした大きさと発生頻度は大きさが増すと供に発生頻度が減少し、断続的にき裂が進展する場合のような特長がなく双方のき裂進展機構はアコースティック・エミシッションにより明瞭に分離出来ることが明かとなった。
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