1997 Fiscal Year Annual Research Report
粒子マイクロメカニクスの体系化 -高機能・ネットシェイピングへの道-
Project/Area Number |
08455334
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
島 進 京都大学, 工学研究科, 教授 (70026160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖本 邦郎 摂南大学, 工学部, 教授 (30268487)
小寺 秀俊 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20252471)
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Keywords | 粉末成形 / シミュレーション / 粒子マイクロメカニクス / 粒子モデル / 連続体モデル / ネットシェイプ |
Research Abstract |
本研究における目的は,まず粒子マイクロメカニクスの基礎理論を確立して,粉体粒子の挙動を明らかにする.これに基づいて,成形挙動解明とシミュレーション手法を構築し,ニヤネットシェイプ加工の実現を計る.さらに磁気機能部品である磁石等は,粉末を素材として磁場中成形によって作られるが,この点についても未解決の部分が多々あり,科学的なアプローチはほとんどなされていない.そこで粒子のミクロな回転をモデル化した理論を構築して粒子マイクロメカニクスの体系化を図り,同時に高機能化のための機能制御とことを目的とする.得られた主な成果は次の通りである. 1)粒子モデルによるシミュレーションでは,従来の円形または球形モデルのみではなく,非円形,あるいは非球形のモデルを比較的容易に扱い得るようになった. 2)また本シミュレーションでは,粒子間摩擦として摩擦係数を導入しているものの,摩擦抵抗としての機能が十分ではなかった.そこで新たな粒子モデルを考察して摩擦抵抗を表す事ができるようになった.これにより,成形プロセスの定量的な評価が可能となると考えられる. 3)連続体的な取り扱いでは,圧粉体の密度に対する弾性係数の変化を実験的に調べ,それを実験式として表し,これと、従来から提案してきた粉末の塑性構成式を組み合わせ,弾塑性有限要素法による定式化を行った.これを応用して,複雑形状の成形プロセスのシミュレーションを行うことが出来る. 4)磁場による回転をモデル化した連続体の基礎理論(コセラ-理論)を構築することが出来た.これによって磁場中成形における磁性粒子の配向解析が可能となった.磁場の強さ,磁場の作用のさせかたにより,配向が変化することが明らかになった. 4)この理論の中に複数の材料パラメーターが含まれるが,本研究ではこれらパラメーターの同定をするまでには至らなかった.この点については今後の研究課題である.
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[Publications] 島 進: "粉体加工のFEMシミュレーション" 塑性と加工. 37・421. 177-182 (1996)
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[Publications] H.Kotera: "Behaviour of Magnetic Particles in Compaction" IEEE Tr.on Magnetics. 33 2. 1616-1619 (1997)
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[Publications] S.Shima: "A study of Mechanical Behaviour of Iron Powders by Three- and Two-dimensional Compaction" Proc.Int.Workshop Model.Metal Powder Forming Processes. 9-18 (1997)
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[Publications] S.Shima: "A Study of Elastic Properties of Compact and Three-dimensional Elasto-Plastic Simulation" Proc.Int.Workshop Model. Metal Powder Forming Processes. 33-40 (1997)
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[Publications] 島 進: "ネットシェイプ成形を支援する粉末成形プロセスのシミュレーション" 塑性と加工. 37・436. 437-440 (1997)