1997 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス-金属の陽極接合性に対する表面コーティング層の効果
Project/Area Number |
08455337
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池内 建二 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (10030058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛尾 誠夫 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (80029248)
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Keywords | 陽極接合 / ガラス / コバ-ル合金 / シリコン / アルミニウム / 銀 / 薄膜 / 界面微細組織 |
Research Abstract |
ガラスと金属との低温・精密接合法として近年注目されている陽極接合の接合機構について,材料学的に検討を加えるため,共通の下地金属の表面に各種金属の薄膜をコーティングし,ガラスと陽極接合することによって,界面現象に対する金属特性の影響を系統的に調べようとした。 ガラス側の接合試片はホウ珪酸ガラスとし、一方、下地金属は、ガラスとほぼ等しい熱膨張係数をもつ鉄基合金コバ-ルとした。表面にコーティングする金属は,鉄に比べてガラス中への拡散侵入の困難なSiとAl,および大量に拡散侵入し得るAgを選んだ.SiおよびAl薄膜をガラスと接合した場合、コバ-ル合金の場合と比べて,接合面の密着化が著しく加速された.またSiおよびAlとの接合界面の近傍のガラス中には,Na欠乏層が形成され、さらにこの中ではNaよりもかなり移動度の低いKの欠乏層と濃化層が形成された。これらの層は,コバ-ル合金との接合界面近傍においても同様に形成されるが,いずれもコバ-ル合金との界面で観察されるものの方が非常に厚かった.さらに,コバ-ル合金と接合されたガラスにおいては,接合界面と反対側の表面の近傍に,Naの濃化層が観察されたが,SiおよびAlと接合された場合は,観察されなかった.これと比べてガラス中に多量に拡散侵入し得るAgの場合は、Na欠乏層は非常に幅広くなったが、Kの欠乏層および濃化層は認められず、代わってAgがNa欠乏層のほぼ全域にわたって侵入し,また,ガラスの陰極側表面の近傍には,顕著なNaの濃化が認められた. 陽極接合中のガラス内での電位分布を解析した結果,接合される金属のイオンの侵入,および界面酸化層の形成による,Na欠乏層内の電場の打ち消し効果によって,これらの結果を説明することができた. さらに、ガラスとコバ-ル合金との継手に接合時とは逆方向の電圧を印加することによって、界面分離し得ることを示し、継手の分離の可能な接合法としての可能性を示唆した。
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Research Products
(1 results)