1996 Fiscal Year Annual Research Report
撹拌槽内の3ステップ混合機構の解明とそれに基づく最適設計・操作方法の決定
Project/Area Number |
08455353
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小川 浩平 東京工業大学, 工学部化学工学科, 教授 (00016635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 史郎 東京工業大学, 理工学国際交流センター, 助教授 (40220602)
黒田 千秋 東京工業大学, 理工学国際交流センター, 教授 (80114867)
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Keywords | 通気撹拌 / 情報エントロピー / 混合度 / 乱流 |
Research Abstract |
撹拌混合に関する研究は古くから行われてきたが、その殆どは撹拌槽内を完全混合と見なして操作条件の決定および性能評価を行うものであった。しかし、より精密に撹拌槽内の混合状況を把握、制御するためには、槽内局所の情報に基づいた混合機構の解明、混合度の定量化が必要である。そこで本研究では特に通気撹拌を対象とし、筆者が定義した情報エントロピーに基づく混合度を槽内局所濃度分布から計算して混合機構を定量的に解明し、そのモデル化を行うことを目的とした、実験は、標準的な単一通気ノズルを槽底中央に有するアクリル樹脂製円筒平底撹拌槽を作成して行った。撹拌方法は、インペラ-を一定方向に一定の速度で学的させる定常撹拌および回転数一定で2秒毎に回転方向を変える非定常撹拌の2種類である。また、混合と気液間物質移動が同時に起こる場合の混合機構に注目するため、トレーサーとしてCO_2を用いた。インパルス応答実験では、N_2ガスを通気して定常的に撹拌し十分にCO_2をパ-ジしている状態で通気ガスをインパルス状にCO_2ガスに換え、槽内各所におけるCO_2濃度の経時変化を電気伝導度法により測定した。また、ステップ応答実験ではN_2ガスからCO_2ガスに通気ガスを切り替えて同様の測定を行った。どちらの実験においても、混合度の経時変化より、混合の進行の仕方が異なる2つの時間領域があることが明らかになった。この2つの領域をわける時間は既往の研究により提案されている循環時間にほぼ対応していることから、これらの領域は槽内の循環流による大きなスケールの混合と、そこに含まれる乱流渦による小さなスケールの混合に対応しているもの思われる。また、これらの結果をまとめ、混合速度を統一的に表す式を提出した。
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