1997 Fiscal Year Annual Research Report
CVD法で調製したタングステンカーバイトの水素化活性
Project/Area Number |
08455376
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
高橋 武重 鹿児島大学, 工学部, 教授 (20041543)
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Keywords | タングステンカーバイド / シクロヘキセンの反応 / 固体酸機能 / 強酸点 / 炭化水素異性化活性 / WC / W_2C比 / 加熱処理の影響 |
Research Abstract |
本年度は六フッ化タングステンとシクロヘキサンを原料として、CVD法で活性炭上にタングステンカーバイドを析出する実験を昨年に引き続き行った。生成したタングステンカーバイドのX線回折図から主としてWCとW_2Cが生成することが分かった。また、昨年度は安定的に調製できなかったが、均一温度ではなく、400℃から600℃まで、5℃/min程度の速度で昇温することによって、タングステンカーバイドを1.4g/hの速度で調製することが可能になった。また、調製速度とWC/W_2C比の関係を調べたところ、調製速度を大きくすると、W_2Cが大きくなることが分かった。 本年度調製したタングステンカーバイドを固定層反応機に充填して、常圧下でシクロヘキセンの反応を行った。その結果、生成物として水素化されたシクロヘキサンは少量で、異性化反応によって生成するメチルシクロペンテンが主として生成した。その他の生成物として脱水素が進行して生成したシクロヘキサジエンあるいはベンゼンが生成した。このような生成物は、水素化触媒ではなく、固体酸触媒で見られる特徴である。そこで、アンモニアTPD(昇温脱離法)を使用して酸の強度を測定したところ、多くのゼオライトと同程度の強い酸点をもっていることが分かった。このような事実は現在までに報告がなく、極めて興味ある特徴と言える。タングステンカーバイドの酸性と調製後の処理条件との関係及びWC/W_2C比の関係について検討した。これらの結果をまとめて本年度中に触媒専門誌に投稿する予定である。
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