1998 Fiscal Year Annual Research Report
CVD法で調整したタングステンカーバイドの水素化活性
Project/Area Number |
08455376
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Research Institution | KAGOSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高橋 武重 鹿児島大学, 工学部, 教授 (20041543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 敬美 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (00177312)
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Keywords | タングステン カーバイド / シクロへキゼンの反応 / 個体酸機能 / 水素化機能 / 加熱処理の影響 / 炭化水素異性化活性 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、六フッ化タングステンとシクロヘキサンを原料として、CVD法で活性炭上にタングステンカーバイドを析出する実験を行った。生成したタングステンカーバイドの量を測定する目的で、熱天秤を用いて生成した固体を完全に燃焼させた。熱天秤に残った量が酸化タングステンとして計算したところ、l5wt%のタングステンカーバイドが析出していることが分かった。 調製したタングステンカーバイドを固定層反応器に充填して、常圧下でシクロヘキセンの反応を行った。その結果、水素化生成物であるシクロヘキサンは少量で、異性化反応によって生成する1-メチルシクロペンテンが主として生成した。その他の生成物として脱水素が進行して生成したシクロヘキサジエンあるいはベンゼンが生成した。このような生成物は、水素化触媒ではなく、固体酸触媒で見られる特徴である。そこで、生成した固体をアルゴン気流中で400℃から600℃まで5℃/minの速度で昇温させて反応に用いたところ、水素化生成物であるシクロヘキサンが主生成物して得られた。すなわち、調製したままの触媒は固体酸としての特徴を有するが、これを酸素のない状態で処理すると、水素化触媒の挙動を示した。この原因を明らかにする目的で、アンモニアTPD(昇温脱離法)を使用して酸の強度を測定したところ、アルゴン気流中で加熱する時間とともに酸性度が減少した。このような事実は現在までに報告がなく、極めて興味ある特徴と言える。これらの結果をまとめて本年度中に触媒専門誌に投稿する予定である。
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Research Products
(1 results)