1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455382
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金谷 茂則 大阪大学, 工学部, 教授 (30273585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 昌宏 大阪大学, 工学部, 助教授 (00183434)
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Keywords | 超好熱菌 / 酵素 / 耐熱性 / イオンペア-ネットワーク / 遺伝子クローニング / グリセロールキナーゼ / リボヌクレアーゼHII / ズブチリシン |
Research Abstract |
95℃以上の高温でも生育できる超好熱始原菌が生産する蛋白質の耐熱化機構を明らかにする目的で、様々な酵素遺伝子のクローニングを試みた。その結果、P.kodakaraensis KOD-1のDNAゲノムからグリセロールキナーゼ、リボヌクレアーゼHII及びズブチリシンの遺伝子をクローニングすることに成功した。これらの酵素の大量発現系(大腸菌)を構築し、酵素を精製した後、酵素的性質や熱安定性を解析したところ、いずれの酵素も超好熱菌由来酵素に特徴的と考えられる性質を示すことが明らかになった。まず、これらの酵素は高い熱安定性を示すことが明らかになった。熱安定性は、酵素を含む水溶液を高温で適当な時間インキュベーションした後の残存活性を測定することにより、不可逆的な熱変性に対する安定性を解析したが、いずれの酵素も90℃の熱処理でほとんど失活しないという結果が得られた。また、グリセロールキナーゼやリボヌクレアーゼHIIの場合広い金属イオン要求性を示した。これらの酵素のアミノ酸組成を常温菌由来のものと比較した場合、いずれの場合もLys、Arg、Asp、Gluなどのイオン性アミノ酸残基の含量が高いという特徴を有していた。最近、イオンペア-ネットワークの増強が超好熱菌由来酵素の耐熱性に寄与するという報告がいくつかなされているので、我々のクローニングした酵素も同様の機構で耐熱化されているのかもしれない。実際、大腸菌グリセロールキナーゼの結晶構造に基づいて超好熱菌グリセロールキナーゼの三次構造をモデリングしたところ、イオンペア-の数は超好熱菌グリセロールキナーゼの方がはるかに多いことが示唆された。今後は、これらの酵素の三次構造の解析と耐熱化因子の同定を試みる予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Naeem Rashid: "Characterization of a Rec A/RAD51 homologue from the Hyperthermophilic Archaeon Pyrococcus sp.KODI" Nucleic Acids Research. vol.25. 719-726 (1997)
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[Publications] Raja Noor Zaliha Rahman: "Effect of Heat Treatment on Proper Oligomeric Structure Formation of Thermostable Glutamate Dehydrogenase from a Hyperthermophilic Archaeon" Biochem.Biophys.Res.Comm.vol.241. 646-652 (1997)