1996 Fiscal Year Annual Research Report
クロロフィルa'の分子物性と光合成反応中心における機能の解明
Project/Area Number |
08455391
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 正 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70092385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高寺 喜久雄 東京大学, 生産技術研究所, 教務職員 (40216669)
吉田 章一郎 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (40111570)
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Keywords | クロロフィル / 光合成 / 反応中心 / 分子間会合 / 二量化 / 分光特性 |
Research Abstract |
高等植物およびラン藻の光合成系I反応中心(P700)あたり当研究室で2分子検出した新規色素クロロフィルa'の機能解明を目的に,生体内(in vivo)での生合成プロセスの追跡と,生体外(in vitro)における物性の解明を進めた. 前者では,黄化葉への光照射で進む反応中心複合体の形成プロセスにつき,オオムギ・キュウリなどの芽生えを試料として,光照射開始後に進行する色素の相対量の経時変化を順相および逆相HPLCシステムを用いて詳細に計測した.クロロフィルa'の相対量は,光照射開始から短い時間内(おおむね1時間以内)に急増し,成熟植物体中のおよそ2倍のピークをとることより,系Iコアの構成分子であることを確認することができた.付随して,系II反応中心の初期電子受容体であるフェオフィチンaの生合成プロセスも追跡し,系Iにやや遅れて系II反応中心が形成される事実を見出した. 後者では,ジオキサンを含む界面活性剤水溶液中でのクロロフィルa'の分子会合挙動を,可視吸収・蛍光特性,円偏光二色性,共鳴ラマン散乱などで調べた.数十〜数百個の分子が電子的カップリングした大きな会合体(ポリマー)を作る通常のクロロフィルaと異なり,クロロフィルa'の会合体は単位構造がずっと小さく,二量体が基本であると推定した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Oba,他: "Integrity of chlorophyllous pigments in Silica Normal-Phase HPLC" Analyhcal Sciences. 12・2. 281-284 (1996)
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[Publications] T.Oba,他: "Aggregahon of Chlorophyll a' in Aqueous Methanol" Photochemistry and Photobiology. 63・5. 639-648 (1996)
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[Publications] T.Oba,他: "Spectral Characteristics and Colloidal Properties of Chlorophyll a' in Aqueous Methonal" Journal of Physical Chemistry. 101(印刷中). (1997)
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[Publications] 小林正美,他: "クロロフィルの中心金属はマグネシウムだけか?" 鉱物学雑誌. (印刷中). (1997)
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[Publications] 小林正美,他: "クロロフィルによる光合成反応中心の分類" 生物物理. (印刷中). (1997)
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[Publications] 渡辺正,中林誠一郎: "電子移動の化学-電気化学入門" 朝倉書店, 200 (1996)