1996 Fiscal Year Annual Research Report
固体高分子電解質/電極界面における分子運動ダイナミクスのその場赤外吸収分析
Project/Area Number |
08455394
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金村 聖志 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30169552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内本 喜晴 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (50193909)
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Keywords | 高分子固体電解質 / パ-フルオロスルホン酸 / その場赤外吸収分光法 / 吸着 / 白金電極 / 内部反射法 / 界面 / 高分子鎖の運動 |
Research Abstract |
高分子固体電解質型燃料電池や電気化学的酸素センサーの電解質として用いられる高分子電解質は、骨格構造としての疎水性の長鎖フルオロカーボン基と親水性のスルホン酸基から構成さる。電極に固体高分子電解質が接合している場合に、これらの疎水性基や親水性基が電極に接触している。このような状況下で、酸素還元や水素酸化いった反応を生じさせた場合に、これらの官能基がどのような運動あるいは変化を起こしているのかについて"その場"赤外吸収分光法を用いて研究を行った。本年度は、測定系の構築を目的として、これまでに経験のある金属電解液界面の測定を行った。この結果、新たに設計したセルおよび購入した赤外吸収分光器が我々の測定に十分対応する性能を有していることがわかった。次に内部反射型セル用の白金電極をスパッタリングにより作製した。特に、十分に薄く、かつ十分な電気伝導性を有する薄膜を作製するための条件を確定した。さらに、より測定の簡単な、電解液系におけるパ-フルオロスルホ酸の白金電極上への吸着を測定の対照とした予備実験を行った。その結果、内部反射型のセルを用いて高速に測定を行える"その場"赤外吸収分光測定システムが十分良好に機能することが分かった。また、電解液中に存在するパ-フルオロスルホン酸の白金電極への吸着現象を電極電位を変化させて調べた結果、電位に応答して吸収位置が変化したり、ピークの形状が変化することが確認できた。次年度は、本測定装置を用いて高分子固体電界質と電極界面における高分子鎖の運動の測定を行う。
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Research Products
(1 results)