1996 Fiscal Year Annual Research Report
超格子スピネル型酸化物の設計とその電気化学的トポケミカル反応の解析
Project/Area Number |
08455396
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
八尾 健 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (50115953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内本 喜晴 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (50193909)
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Keywords | スピネル型酸化物 / トポケミカル反応 / 構造解析 / X線回折 / リチウム電池 |
Research Abstract |
リチウム二次電池はICカード用、マイクロエレクトロニクス用の電源として、また、高エネルギー密度が期待できることから電気自動車用の電源として、その開発が待望されている。リチウム電池の正極活物質は、電池の特性に大きな影響を与えるため、実用化のためには、その開発が必要となる。現在、正極活物質として、リチウムイオンが可逆的に構造内に挿入・脱離(トポケミカル反応)する化合物が注目されている。高エネルギー密度であるためには、高容量、すなわちリチウムイオンの収納サイトが多量に存在すること、トポケミカル反応が可逆であるためには、リチウムイオンの結晶内での拡散係数が大きい、すなわち良好な拡散サイトを有することが必要である。本研究では、これまでにない、カチオンの規則配列格子、すなわち超格子構造を有する遷移金属酸化物を設計、合成し、そのリチウウ二次電池正極活物質としての応用を行う。本年度は、カチオンの選別、作製条件の検討を行うことによって超格子構造をとる種々のスピネル型酸化物を合成した。その構造を粉末X線回折を用いたリ-トベルト解析により解析した。LiM_xMn_<2-x>O_4を固相法により焼成した。リ-トベルト解析の結果、正スピネル酸化物LiMn_2O_4のMnの一部がCrで置換され、格子定数がドープ量の増加と共に減少し、酸素パラメータが増大することが明らかとなった。また、電極を形成し、充放電特性を検討したところ、優れた充放電特性を示すことが明らかとなった。
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