1996 Fiscal Year Annual Research Report
[2,3]シグマトロピィ転移による新規炭素-窒素結合生成反応の開発
Project/Area Number |
08455430
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
斎藤 清機 岡山大学, 工学部, 教授 (60033239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 彰彦 岡山大学, 工学部, 助手 (10263617)
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Keywords | [2,3]-シグマトロピィ / アリルアミン合成 / アリルアルコール / 光延反応 / ヒドロキシルアミン |
Research Abstract |
アリルアルコールとN-ヒドロキシフタルイミドとの光延反応,ヒドラジンによるアミノ基の再生,およびN-ベンジル化を経て,O-アリリックヒドロキシルアミン(A)が入手出来る。Aにテトラヒドロフランを溶媒として0°Cでブチルリチウムを作用させると,5分間で[2,3]-シグマトロピィが完了し,基質の水酸基から遠い方のsp^2炭素にヒドロキシアミノ基が結合したアリルアミン誘導体が収率良く得られることを見出した。これは前例の無い新規な[2,3]シグマトロピィ反応で,アリルアミンの合成法として極めて有用である。本年度の研究で以下のことが明らかになった。 (1) 転移反応が進行するためには,N-上にベンジル基の様なアルキル基が必要である。電子吸引性のN-トシル基では反応は進行しない。無置換体ではN-O結合の開裂のみが起こる。 (2) 二重結合が環内にある場合には収率が著しく低下する(<30%)。 (3) 転移末端のsp^2炭素がジ置換の場合には収率が著しく低下する(<20%)。 (4) アリリック二重結合が更に二重結合に共役している場合には収率が著しく低下する(<25%)。 (5) 二重結合が芳香環と共役している場合には収率が著しく低下する(<25%)が,その場合でも酸素原子が2級炭素に結合している場合には,良好な収率で転移生成物が得られる。 (6) 転移後に二重結合が共役系になる場合にはブチルリチウムは不要で,DMFを溶媒として50-70°Cで加熱するだけで転移が定量的に進行する。 次年度は,本転移反応を用いたキラリティの転写及びジアステレオ面区別について検討し,光学活性アリルアミンの合成法としても完成させる。
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[Publications] Seiki Saito: "Synthesis of Chiral 3E,5E-Ocatadiene-1,2R,7R,8-tetraol Frameworks by Means of Palladium(II)-Promoted Hetero-Claisen Rearrangement : Mechanistic Aspect" Tetrahedron. 52・44. 13919-13932 (1996)