1998 Fiscal Year Annual Research Report
界面活性モノマーの重合による両親媒性組織化高分子の設計と応用
Project/Area Number |
08455439
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Research Institution | TOYOHASHI UNIVERSITY OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
伊藤 浩一 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (00023119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 正剛 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (00204694)
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Keywords | 界面活性モノマー / 両親媒性 / 組織化 / ミセル重合 / 乳化・分散重合 / ポリエチレンオキシド / ポリメタクリル酸 / ブラシ高分子 |
Research Abstract |
1. 水中、スチレンとp-スチリルアルキル末端ポリエチレンオキシド(PEO)マクロモノマーは基本的にアゼオトロピックに乳化共重合し、生成微粒子の組成は仕込みのそれに等しい。 2. 乳化共重合微粒子の粒子径のマクロモノマー組成、PEO鎖長、アルキレンスペーサー鎖長、開始剤とうの影響について検討した。アルキレン鎖長の長く(ヘプチレン)、PEO鎖長の短い典型的な界面活性剤とみなされるマクロモノマーの場合は、従来のミセル核形成を経るSmith-Ewart理論に見かけ上従うが、その他のばあいは、均一相核形成も伴うと思われる複雑なマクロモノマー濃度依存性を示した。従来の乳化重合理論に加えて、マクロモノマーが反応性(共重合性)乳化剤として働くことを加味した理論を検討する必要がある。殻を形成するPEO鎖は伸びきり鎖に近いことを、確認した。 3. 少量のスチレンを可溶化させた見かけ上均一系の「ミセル共重合」は、高分子超微粒子(〜10nmサイズ)の合成に有望である。その界面化学的、速度論的検討を加えた。 4. p-スチリルブチル末端PEOマクロモノマー(n=45)の水中ミセル重合で得られる櫛形高分子の水溶液中の回転半径一分子量の関係を多角度光散乱検出器付SECで測定した結果、持続長q=17nmの半屈曲性みみず鎖として記述できることがわかった。蛍光測定、ピレンの可溶化と合わせて、疎水性の硬い芯棒と親水性の軟らかい毛から成る水溶性ブラシ鎖の特徴を支持した。 5. これまでの成果をまとめて、マクロモノマーのミセル重合・共重合は、両親媒性高分子から成る極(超)微粒子、さらには単分子微粒子への展開を期待させる。マクロモノマーのミセル重合による櫛形ポリマーは多分岐高分子の溶液挙動を調べる極めて興味深いモデルを提供した。電解質マクロモノマーを利用した今後の展開は、新たな知見となることが期待される。マクロモノマーを用いた乳化・分敗共重合による高分子微粒子設計は、設計原理、操作が比較的単純であり、広範な応用が期待される。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] S.Kawaguchi,G.Imai,J.Suzuki,A.Miyahara,T.Kitano,K.Ito: "Aqueous solution properties of oligo- and poly(ethylene oxide)by static light scattering and intrinsic viscosity" Polymer. 38. 2885-2891 (1997)
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[Publications] 川口正剛,D.P.Soewito,伊藤浩一: "多角度光散乱-サイズ排除クロマトグラフィーを用いる無秩序分岐ポリスチレンのキャラクタリゼーション" 高分子論文集. 54. 923-929 (1997)
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[Publications] S.Kawaguchi,E Nomura,K Ito: "Organocuprates initiated anionic living polymerization of tert-butyl methacrylate" Polym J.30. 546-551 (1998)
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[Publications] S.Kawaguchi,K.Akaike,Z-M.Zhang,H.Matsumoto,K.Ito: "Water soluble bottlebrushes" Polym.J.30. 1004-1007 (1998)
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[Publications] S.Kawaguchi,Y.Hirose,K.Ito,S.Kato.K.Yokota: "Adueous solution behavior of alkali-soluble polyethylene periodic polyelectrolyte,poly(ethylene-per-ethylene-per-acrylic acid)" Colloid Polym.Sci.276. 1038-1043 (1998)
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[Publications] S.Kawaguchi,K.Ito: "Aqueous solution behavior of amphiphilic poly(ethylene oxide)comblike polymers" Colloid & Surface A: Physicochemical & Engineering Aspects. (in press).
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[Publications] K.Ito,S.Kawaguchi: "Adv.Polym.Sci 142(Branched Polymers)" Springer, 50 (1998)
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[Publications] 川口正剛,伊藤浩一: "蒲地幹治監修 ラジカル重合-高分子の精密合成と新材料:2,3編" エヌ・ティ・エス(印刷中), (40) (1999)