1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455445
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高井 光男 北海道大学, 工学部, 教授 (50002019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 健次 北海道大学, 工学部, 助手 (00271643)
藤原 政司 北海道大学, 工学部, 助手 (30229075)
柴 肇一 北海道大学, 工学部, 助教授 (60241303)
惠良田 知樹 北海道大学, 工学部, 助教授 (30213581)
棟方 正信 北海道大学, 工学部, 教授 (50261326)
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Keywords | バクテリアセルロース / 培地成分 / 収量増加 / 酵母エキス / アミノ酸 / pH / グルコン酸 |
Research Abstract |
本研究では、酢酸菌が産生するセルロース(バクテリアセルロース;BC)の収量を向上させるために、培地成分の組成がBC収量に与える効果について検討した。 はじめに、培地のCN比を変えて酢酸菌を培養したところ、窒素源のうち酵母エキスを増加させるとBC収量、対糖収率が向上することがわかった。 この添加効果に関して、酵母エキス中のどの成分が有効であるか確認するために、その主要成分であるアミノ酸を用いて酢酸菌を培養したところ、いくつかのアミノ酸でBCの生成を確認できた。「回収酵母エキス」を用いて培養すると、通常の0.5%濃度でも過剰添加の3.5%濃度においても未使用の酵母エキスと同様のBC収量が得られたので、増量効果は酵母エキス中の成分が直接BCに転換したのではなく、酵母エキス中の成分がBC合成経路に何らかのプラスの効果を及ぼしているためだとわかった。 つぎに、培養中の各種パラメータの挙動を観察した。その結果、酵母エキス濃度が高いほどBC収量が著しく向上した。また、菌体量変化をみると酵母エキス濃度が高いほど菌体増殖もそれにつれて速かった。培地中のグルコース濃度は培養4日目にほとんど消費されていたが、4日目以降においてもBC収量が増加していることから、酢酸菌はグルコース以外の成分を利用していることが考えられた。培養中のpHが2日目までに6から3くらいに落ちるが、次第に回復してくるので、4日目以降のBC生産はグルコン酸が酢酸菌に資化されて利用されている可能性がある。また、酵母エキス濃度が高いほどpHの回復が大きいので、酵母エキス中の成分の役割は、グルコン酸の資化を大きく促進することではないかと考えられる。今後、酵母エキス中のどの成分が、これらの挙動にどのような効果を与えているか解明する必要がある。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] K.Tajima et al.: "Enhancement of Bacterial Cellulose Productivity by Water-soluble Chitosan" Mokuzai Gakkaishi. 42 (3). 279-288 (1996)
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[Publications] K.Tajima et al.: "Enhancement of Bacterial Cellulose Productivity and Preparation of Branched Polysaccharide-bacterial Cellulose Composite by Co-cultivation of Acetobacter Species" Sen-i Gakkaishi. 51 (7). 323-332 (1995)
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[Publications] K.Tajima et al.: "Biological Control of Cellulose" Macromol.Symp.99. 149-155 (1995)
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[Publications] K.Tajima et al.: "Synthesis of Bacterial Cellulose Composite (BCC) by Acetobacter xylinum, I" Mokuzai Gakkaishi. 41 (8). 749-757 (1995)
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[Publications] J.-Y.Chen et al.: "Effect of Kraft Cooking Conditions on Efficiency of Oxygen Delignification, I." Mokuzai Gakkaishi. 41 (8). 757-766 (1995)
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[Publications] J.-Y.Chen et al.: "A Method for Isolation of Miled-Wood Lignin involving Solvent swelling prior to Enzyme Treatment" Wood Science and Technology. 47. 235-240 (1995)
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[Publications] T.Nakamura et al.: "Cellulose Production by Acetobacter xylinum in the Presence of Cellulase" "Cellulose and Cellulose Derivatives : Physicochemical Aspects and Industrial Application" published by Ellis Horwood 分担執筆, 3-8 (1995)
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[Publications] 高井 光男: "第2編第2章第2節 微生物セルロースの構造・物性・機能" 「生分解性プラスチックハンドブック」(出版社:NTS)分担執筆, 221-227 (1995)