1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455457
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
島村 薫 岡山大学, 工学部, 教授 (80013506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 哲也 岡山大学, 工学部, 助手 (90284083)
山下 祐彦 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (20032930)
沖原 巧 岡山大学, 工学部, 講師 (70243491)
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Keywords | 剛直高分子 / 結晶化 / 分子量分別 / 結晶形態 / 表面観察 |
Research Abstract |
1.剛直高分子の分子量分別 充填剤にシリカゲル,展開液にメタンスルホン酸を用いたgel permeation chromatograph(GPC)による剛直高分子の分子量分別法を開発した。 2.分子量分布と結晶形態 剛直高分子の結晶化では結晶から突出した配向ciliaを利用した結晶成長が進む。そのため分子量分布が結晶形態に大きな影響を及ぼす。分子量分別した試料の結晶化では分子鎖長を揃えられているため,ciliaを利用した結晶化は減少する。 3.剛直高分子結晶の表面観察 剛直高分子が板面に対して垂直に配向した板状晶の表面観察を原子間力顕微鏡(AFM)を用いて行った。粘度測定から求めた平均分子鎖長と板状晶の厚みがほぼ一致することから,表面の凹凸は分子鎖長の分布に対応することがわかる。表面観察の結果から,長い分子鎖により形成された一次核を起点として枝状晶が成長し,続いての結晶化により枝状晶間が埋められ菱形の外形となることがわかった。 4.構造異性の結晶化・結晶欠陥に与える影響 従来合成できなかったcis-PBZTを合成し,構造異性体であるtrans-PBZTの固体構造と比較することにより,構造異性の結晶化,結晶欠陥に与える影響を検討した。trans-PBZTは直線状の分子構造を持つがcis-PBZTは化学構造の非対称性のため分子鎖に規則的な湾曲が存在する。そのため結晶中での分子鎖軸方向の規則性が向上し,分子鎖が分子鎖軸方向に沿って互いにずれた結晶欠陥(axial shift)が減少した。このことからaxial shiftは分子鎖に規則的な湾曲を導入することにより解消されることがわかった。 5.化学構造の結晶化・結晶欠陥に与える影響 化学構造の異なるcis-PBZOを合成し,その希薄溶液からの結晶を行った。cis-PBZOの化学構造はcis-PBZTと同様の原子配置にかかわらず,ヘテロ原子の半径に大差がないことから直線状の分子形態となる。そのため分子鎖軸方向の規則性は低く,axial shiftは解消されなかった。また結晶形態の観察から,cis-PBZOも他の剛直高分子と同様に,結晶から突出した配向ciliaが母結晶上に成長する娘結晶の成長速度を大きく加速するとともに,その成長様式を規制することがわかった。
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