1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455460
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 恭平 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20011190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 智朗 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50282679)
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Keywords | 複合材料 / 積層板 / 層間剥離 / 座屈 / 振動 / 座屈後挙動 / エネルギー解放率 / 破壊靭性 |
Research Abstract |
多重層間剥離を有する複合材料積層板の圧縮座屈と振動の理論解析を行うとともに,金属単一板と単一および多重層間剥離を有する金属積層板の圧縮座屈実験を行った。 両端を固定した多重層間剥離を有する複合材料積層帯板に,圧縮荷重が作用する場合の,座屈と座屈後の挙動の解析解を求めた。これにより両側辺自由の帯板の場合でも,座屈した後も荷重の増加に耐え,その後に最高荷重に達することを明らかにした。また,層間剥離先端における剥離進展に伴うポテンシャルエネルギ解放率を計算し,剥離進展の可能性とそれに伴う変形挙動を解析した。次に,層間剥離のある複合材料積層板の固有振動数の解析解を求め,層間剥離による振動数の低下を明らかにした。特に,層間剥離の大きさおよび位置と,振動数低下との関係を解明した。 実験としては,まず両端固定金属等方性帯板の座屈実験を行い,レーザ変位形による精密な変形計測によって,初期撓みおよび初期偏心と座屈変形挙動との関係を解明した。これにより精密な座屈実験技術を確立した後,単一および多重層間剥離を有する積層板を金属で製作し,圧縮座屈実験を行った。この実験により,理論解析で求められた座屈および座屈後の荷重増加の現象を検証することができた。現在,層間剥離をもつ金属積層板の振動実験を準備中である。 今後は,層間剥離を有する複合材料積層板を作製し,圧縮座屈実験と振動実験を行い,理論解析の結果を検証する予定である。また理論解析においては,層間剥離を有する複合材料積層板の圧縮座屈変形に対する初期不整の影響を解明するとともに,圧縮荷重下での振動の解析を行う予定である。
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