1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455460
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 恭平 東京大学, 工学系研究科, 教授 (20011190)
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Keywords | 複合材料 / 積層板 / 層間剥離 / 座屈 / 振動 / 座屈後挙動 / エネルギー開放率 / 破壊靭性 |
Research Abstract |
多重層間剥離を有する複合材料積層板の,圧縮座屈挙動と圧縮荷重下での自由振動の理論解析を行うとともに,多重層間剥離を有する金属積層板の圧縮実験を行い,さらに振動実験を準備中である。 両端を固定した多重層間剥離を有する複合材料積層板を面内圧縮した場合の,座屈と座屈後の挙動の解析解を求める一方,積層板に初期撓みが存在する場合の挙動のエネルギー法による近似解を求めた。座屈した後もさらに荷重に耐えた後大きな変形を示して最終荷重に達することが明らかになったが,初期撓みを考慮する解析によって,座屈近傍での荷重〜撓み関係から座屈荷重を求める方法を導いた。次に,圧縮荷重下の層間剥離を有する積層板の固有振動数を,せん断変形を考慮して求め,せん断剛性の振動数への影響を明らかにする一方,振動数が零となる条件より座屈荷重を求め,せん断剛性の座屈荷重への影響を明らかにした。 実験としては,多重層間剥離を有する金属積層板の座掘実験を行い,解析解及び初期撓みを考慮した近似解との比較検討を行い,座屈挙動に対する初期撓みの影響が大きいことを明らかにした。また,座屈近傍での撓み測定から座屈荷重を求める方法の有効性を検証した。現在,多重層間剥離を有する金属積層板の圧縮荷重下での振動実験を準備中である。 今後は多重層間剥離を有する複合材料積層板の圧縮座屈実験と,圧縮荷重下の振動実験を行う予定である。また,より理論を精密化するために,各層ごとのせん断変形や板厚方向の変形を考慮した高次積層板理論の研究を進める予定である。
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