1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455477
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
肥後 靖 広島大学, 工学部, 助教授 (20156582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 欣 広島大学, 工学部, 助手 (20263725)
高木 幹雄 広島大学, 工学部, 教授 (00038556)
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Keywords | 海震荷重 / 二次元浮体 / Green関数 / 境界要素法 |
Research Abstract |
本年度は,二次元問題において,海底地盤の振動による圧力波の伝搬を水中音波の伝搬としてとらえ,自由表面条件と水底条件を満足するGreen関数を用いて定式化したHelmholtzの方程式を数値的に解くことにより浮体に働く海震荷重の特性を系統的に検討することを目的として本研究を実施した。その結果得られた知見を以下のようにまとめる。 1.数値計算の妥当性を境界要素法によって検討したところ良い一致を示した。 2.海震荷重は閉鎖領域の境界値問題の固有値に対応した共振点を有する。 3.上記共振点は浮体の幅に応じて移動する。 4.共振点の周波数は水深が浅くなると高周波側に移動する。 5.共振点の周波数付近では流体の圧縮性は無視できない。 6.海震荷重は海底の振動地盤幅に比例している。 7.上下方向海震荷重は浮体中心が振動地盤と離れるに従って小さくなる。 8.左右方向海震荷重は浅喫水の浮体を考える場合にはあまり問題にならない。 9.横方向海震モーメントは上下方向海震荷重より問題になる場合がある。 本年度は,主として問題を二次元周波数領域の問題として捕らえたが,海震現象は本質的に三次元問題であり,また有限時間の現象であるため時間領域の問題として取り扱わなければならない。従って,波動拡散が少なく,無限時間続く問題の定常解として求めた本年度の結果は,共振点付近で非現実的な値となることが判明した。 来年度の課題として,海震を三次元問題として捉える方法と時間領域の解法を考えている。海震のメカニズムを解明し,設計の資料として利用するためにはこれらの問題を克服する必要があると思われる。従って,来年度は,三次元周波数領域の問題を解くプログラムの開発及び二次元時間領域の問題を解くプログラムの開発を計画している。
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Research Products
(1 results)