1997 Fiscal Year Annual Research Report
浮体式人工島の波浪中における流力弾性的挙動に関する研究
Project/Area Number |
08455479
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大楠 丹 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (70038537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 正 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (00161026)
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Keywords | 流力弾性 / 境界要素法 / 特異摂動法 / 膜状構造物 |
Research Abstract |
水平方向の寸法が数キロメートル、厚さが数メートルの板状の浮体式人工島の波浪中の流力弾性応答に関連して次の成果を得た。 1.任意方向から入射する波に対する曲げ振動を、水深が十分に深い場合および人工島の水平方向の寸法と入射波の波長に対して浅い場合に対して計算する解析的な方法を開発して計算プログラムを作成した。 人工島の長軸に対して斜めの方向から波が入射する場合には、曲げ振動は類似2次元的に取扱うことができる。 一方、波が長軸と平行に入射する場合については、人工島の幅が入射波長と同一のオーダの場合と、非常に大きい場合の2つの場合に分けて取扱った。前者については細長体理論と類似の特異摂動法が用いられて解析が行なわれ、後者の解析は3つの領域の摂動級数のマッチングによる新しい特異摂動法を開発した。 2.人工島の曲げ振動が水面とは異なった媒体を伝わる波動として解釈され、その観点から種のタイプの曲げ振動が容易に理解されることを示した。 3.任意の水面形状を持つ人工島の曲げ振動を数値的に解析する方法を開発した。 この方法は人工島の平面を多数のパネルに分割しパネル上の流体の圧力およびパネルの曲げ変形をスプライン関数で表示し、それらに関する境界積分方程式を数値的に解くものである。 人工島のサイズが波長に比べて非常に大きいことから一般にはパネルの数が多数となって数値計算が困難となるが、本計算法では特別のスキームを用いてパネルの数を十分に小さくすることができ、且つ計算精度の保証がきちんとされている。したがって本方法は複雑な形状が予想される実際の人工島を設計する場合に十分使用に耐え得る方法である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kashiwagi M.Furukawa C.: "A Mode-Expansion Method for Predicting Hydroelastic Behavior of a ShallowDraft VLFS" Proc.16th International Conference on Offshore Mechanics and Arctic Engineering(Yokohama). 6. 179-186 (1997)
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[Publications] Kashiwagi M.: "A B-Spline Galerkin Scheme for Computing Wave Forces on a Floating Very Large" Proc.7th International Offshore and Polar Engineering Conference(Honolulu). 1. 229-236 (1997)
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[Publications] 柏木 正: "超大型浮体構造物の波浪中弾性応答" 九州大学応用力学研究所所報第82号. 31-52 (1997)
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[Publications] Ohkusu M.Nanba Y.: "Some Problems of Hydroelastic Behavior of a Floating Thin Plate in Shallow Water Waves" Proc.13th Int.Workshop on Water Waves and Floating Bodies,1998. (発表予定). (1998)
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[Publications] 大楠 丹,難波 康広: "浮体式人工島の流力弾性挙動の研究" 日本造船学会論文集. (発表予定). (1998)