1997 Fiscal Year Annual Research Report
トマトのウイルス抵抗遺伝子の単離技術利の開発に関する研究
Project/Area Number |
08456003
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
本吉 總男 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (90230052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 豊 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (60224193)
村田 稔 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (20166292)
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Keywords | ウイルス / 抵抗性遺伝子 / トマト / SCARマーカー / 染色体 / レーザカッティング |
Research Abstract |
1.Tm-1に最も近接するSCARマーカーの同定 トマトモザイクウイルス(ToMV)抵抗性遺伝子Tm-1は、野生種Lycopersicon hirsutumに由来する。これまでTm-1遺伝子周辺のSCARマーカーの6種は、Tm-1との間で組換えが見られず、どれが最もTm-1に近接しているか、不明であった。本年は、便宜的な方法として、L,hirsutum 4系統を選び、それらがToMV抵抗性を有するかどうかを調べるとともに、6種のマーカーのどれを有するかを調べた。その結果、L.hirsutum 1系統のみがToMV抵抗性で、3種のマーカーをもつことが分かり、これらがよりTm-1に接近していると測定した。厳密には、この系統のToMV抵抗性が、Tm-1によるものであることを確認する必要がある。 2.レーザビームによる染色体特定領域の収集 ToMV抵抗性遺伝子(Tm-1、Tm-2およびTm-2a)が座乗する染色体の特定領域のDNAを集め、その中から遺伝子を探索する技術の確立を目指している。今回は、レーザーによるマイクロダイセクションにより染色体の一部を切り取り、DOP-PCR法で、その領域のDNAを増幅させる基礎技術を確立した。 3.各種病害抵抗性遺伝子の既知の塩基配列とTm-1遺伝子の関係 現在10種を越す病害抵抗性遺伝子が植物から単離されており、それらの配列が決定されている。それらのうち、典型的な3つのタイプ(タバコN、トマトCf9、およびトマトPtoタイプ)の遺伝子の保存配列をもとにプライマーを合成し、PCRによってTm-1またはTm-2をもつトマト準同質系統のゲノムからDNA断片を増幅させ、それぞれのタイプの配列が存在することを確認した。これらのDNAをプローブに準同質系統間のRFLPの検出を試みたが、RFLPは検出できなかったので、Tm-1およびTm-2は、これらのタイプ以外の抵抗性遺伝子と推定された。
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